2023/5/19 5:15 (2023/5/19 5:47 更新)
【NQNニューヨーク=横内理恵】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比115ドル14セント(0.3%)高の3万3535ドル91セントで終えた。米債務上限問題への懸念が後退しつつあり、ハイテク株などへの買いが広がった。半面、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化が米景気を冷やすとの見方は重荷となり、ダウ平均は下げる場面もあった。
米連邦政府の債務上限引き上げについて野党・共和党のマッカーシー下院議長が18日、「合意に至る道筋がみえる」と述べ、来週にも下院で採決できるとの見通しを示した。関係者が協議を重ねており、6月にも米政府の資金繰り策が尽きて債務不履行(デフォルト)に陥る最悪の事態は避けられるとの見方が広がりつつある。
ダウ平均は200ドルあまり下げる場面もあった。ダラス連銀のローガン総裁が18日の講演で「ここ数週間の指標はまだ利上げ見送りが適切だとは示していない」と述べた。タカ派で知られるセントルイス連銀のブラード総裁も18日のインタビューで、「インフレ抑制を確実にするための保険としていくらかの追加利上げが正当化されるかもしれない」との見解を示した。FRBが利上げを続ける可能性が意識され、景気懸念につながった。
ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルが上昇。顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株も買われた。18日発表の23年2〜4月期決算が市場予想以上で、通期の業績見通しを引き上げた小売りのウォルマートも高い。
一方、不動産やヘルスケア、生活必需品など業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株は売られた。ダウ平均ではアナリストが投資判断を引き下げた日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落。医療保険のユナイテッドヘルス・グループも安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比188.272ポイント(1.5%)高の1万2688.838と2022年8月以来、およそ9カ月ぶりの高値で終えた。広告付きプランの利用者拡大が好感された動画配信のネットフリックスが大幅高だった。18日に日本の工場への5000億円の投資を発表した半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の上昇も目立った。