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ロシア、バフムト制圧を主張 ウクライナは否定


 
 
#ウクライナ侵攻 #G7広島サミット #ヨーロッパ
2023/5/21 18:23 (2023/5/21 20:44 更新)
ロシア民間軍事会社ワグネルの戦闘員が、ロシア国旗㊨とワグネルの旗を振った(プリゴジン氏提供)=共同
【カイロ=久門武史】ロシア国防省は21日、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトを完全に制圧したと主張した。ウクライナは否定した。主要7カ国が首脳会議(G7広島サミット)でウクライナ支援を再確認するなか、ロシアには戦果を強調し侵攻を続ける狙いがあるとみられる。

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プーチン氏の展望なきウクライナ長期戦 政権揺らぐ葛藤
タス通信は21日、ロシアのプーチン大統領がバフムトの「解放」について「民間軍事会社ワグネルの部隊とロシア軍部隊に祝意を表明した」とする大統領府の声明を報じた。ワグネルの創設者プリゴジン氏は20日、バフムトを完全に制圧したと主張し、25日に部隊を撤退させ制圧地域をロシア軍に引き渡すとしていた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、訪問先の広島市での記者会見でバフムトは占領されていないと明言した。同国のマリャル国防次官も同日「敵はバフムトの包囲に失敗した」とSNSに投稿し「我が部隊は郊外で進軍し、敵がバフムトにとどまるのは難しくなっている」と強調した。

ゼレンスキー氏は21日、G7広島サミットでウクライナをテーマにした討議に参加し、各国首脳と会談。19日にはサウジアラビアアラブ連盟首脳会議に出席した。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、バフムト制圧を宣言したロシアには「ゼレンスキー氏外遊の最中に情報を混乱させる必要があった」との見方をウクライナのメディアに示した。

バフムト周辺の前線に展開するウクライナの兵士(19日)=ロイター
シンクタンクの戦争研究所は20日プリゴジン氏の主張が事実だとしても、ワグネルが占領した地域は象徴的な意味合いが大きいとの分析を公表した。ウクライナが計画する反転攻勢に対し、ロシア側の防衛にとって重要な場所ではないと指摘した。

国防省20日の分析で「ロシア指導部は戦果を主張するため、バフムト制圧を目先の主要な戦争目的とみなし続けている」との見方を示した。ロシア軍がバフムト方面で「この4日間に複数の部隊を再配置した」とも指摘した。

一方、プーチン氏がバフムトでの作戦でロシア軍と同列にワグネルの功績を認めた背景には、プリゴジン氏と国防省との緊張緩和を狙う思惑も透ける。プリゴジン氏はロシア軍からワグネルへの武器や弾薬の供給を巡り、ショイグ国防相ら軍幹部への批判を繰り返していた。一時はバフムトからの撤退意向を示すなど、軍との亀裂が浮き彫りとなっていた。

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