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⭐️《社説》

[社説]立民は代表選で政権担当能力を示せ
 
 
#社説 #オピニオン #立憲民主党代表選2024
2024/9/8 2:00
 
立憲民主党代表選の討論会で議論する(左から)野田、枝野、泉、吉田の各氏(7日、東京都千代田区)
立憲民主党の代表選が7日に告示され、野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員が立候補した。4氏は次期衆院選政権交代をめざすと強調した。責任ある政策提案を通じ、政権担当能力有権者に示す戦いにしてほしい。

候補者は告示後、日本記者クラブ主催の討論会に臨んだ。4氏は自民党の裏金問題への対応は極めて不十分だと指摘し、立民が早期に政権を担うことが抜本的な政治改革につながると訴えた。

自民党が政権復帰した2012年の衆院選以来、旧民主党の流れをくむ野党は国政選挙で8連敗を喫した。立民の代表選は23日に投開票される。新代表にとっては、政権の受け皿としての本格的な信頼回復が最大の仕事になる。

野田氏は首相時代も掲げた「分厚い中間層の復活」、枝野氏は「ヒューマンエコノミクス 人間中心の経済」を打ち出した。泉、吉田両氏は国民生活の底上げへ教育無償化や労働者の処遇改善などを重視している。

立民は社会保障政策の柱として、所得に応じ給付や控除を実施する「給付付き税額控除」の導入を訴えてきた。7日の討論会では泉、吉田両氏が経済悪化時の食料品の消費税減税に触れた。論戦を通じて考え方や財源などを明確にしてもらいたい。

エネルギー政策で野田、枝野、泉各氏は原発に依存しない社会をめざしつつ、「原発ゼロ」が短期で実現するような誤解を招く公約は望ましくないと言及した。日本にとって最適な電源構成をどう考えるべきか明示してほしい。

教育や社会保障少子化対策、エネルギー戦略などは日本の将来にとって極めて重要な論点だ。

旧民主党政権の最大の失敗の一つは外交・安全保障政策だろう。4候補は「集団的自衛権の行使は違憲」とする党の方針を堅持するとした。一方で自公政権との政策の継続性や日米同盟の重要性に触れる発言も複数あった。今後の議論に注目したい。

自民党総裁選は12日告示、27日投開票の日程で実施され、与党は新政権が誕生した直後の衆院解散に向けて動き出しつつある。

立民などが政策の違いを度外視して野党共闘を急ぐようなら、再び有権者の失望を招きかねない。まずは独自の政策で政府・与党との違いを明確にし、新たな選択肢を示してもらいたい。