トランプ氏が大統領に選出され、それが日本経済に及ぼす影響につ いて今回は書こうかなと思いましたが、このところ経験したハロウ ィンの経験が私の心をとても癒してくれたので、 今回はそのことを書きます。
ひとつは2週間ほど前のことです。自宅近くでいつも行く散髪屋さ んでのことです。
80歳ほどのご夫婦が営んでおられる散髪屋さんなのですが、親切 なこともあり、結構遠くから来られるお客さんもあり、かなり人気 のお店です。
その日も、2つある椅子が満席で、私は散髪屋さんで待つのが新聞 や本をゆっくり読めるので好きで、入り口近くの椅子と机のある小 さな待合で待っていました。
そうすると、普段はそんなことはないのですが、小さな子供たちが 、その散髪屋さんの開きっぱなしのドアからどんどん入ってきます 。
お母さんやお父さんに連れられた子も来ます。
商店街がハロウィンの企画をやっており、お店を回ってスタンプを もらい、小さなお菓子ももらえるという企画です。
スタンプがたまるとくじ引きが引けるとのことです。
子供たちが入ってくるたびに、散髪屋のおじさんかおばさんが仕事 の手を止め、スタンプを押し、お菓子をあげるために持ち場を離れ て対応していました。
「僕がやりますよ」と私が申し出ました。何せ32年ほど毎月、他 の店に一度も行くことなくその店に通っていますから、私は常連で す。
スタンプを押し、小さなプラスチック製のカラフルなバケツに入っ たお菓子を渡す係になりました。
その後も子供たちは続々とやってきて「トリック オア トリート」と恥ずかしそうに小さな声で言いながら、私のところに やってきます。
そして、スタンプを押して、バケツを持って子供たちにお菓子を差 し上げるのを10人以上繰り返しました。
それをやっているうちに、何とも言えない良い気分になりました。
「有難う」と小さな声でいう子や、元気よく言う子、親に促されて 言う子などさまざまでしたが、こちらもとても良い、ほっこりとし た気分になりました。
いつもビジネスの世界にいて、お客さま第一や利他ということを人 にも言い、自分でも気を付けていますが、それとはまた違うとても 良い気持ちを感じたのです。
私の散髪が終わった後、散髪屋のおばさんが、子供たちの相手をし た私に気を使ってお菓子をくれると言ってくれたのですが、 それを丁寧に断って、「ぜひ来年もやらせてください」 とお願いしました。
もうひとつのハロウィンは、ハワイでした。長年勤めてくれ、会社 への貢献度の高い社員4名と、10月末に報奨旅行に出かけました 。
報奨旅行というよりも私から見ると感謝旅行です。来年ハワイでセ ミナーを開く予定でその下見も兼ねていました。
そのときに、たまたま現地でハロウィンに出くわしました。
乗馬や小さな船に乗れる観光施設でも、スタッフがそれぞれのハロ ウィンにちなんだ衣装を着て、とても雰囲気がありました。
ホノルルの街もハロウィンの夜は、コスチュームを着た人などでメ インストリートは歩くのにも困るほどでした。
その時に思いだしたのは、もう40年ほど前に、留学のためにアメ リカの田舎町に住んでいた時のことです。
2年いましたが、最初の年は、「Trick or treat」と言って私の小さなアパートを訪ねてくる子供たちに 、その習慣を知らなかったので、何もしてやれなかったのですが、 友人から教わり2年目はキットカットのチョコレートを結構たくさ ん買って、それが全部なくなるほど訪ねてきた子供たちに差し上げ ました。
地域社会に少し馴染めた気分でした。
今年、たまたまハロウィンでとても良い、楽しい気分になれたこと に心から感謝しています。
【小宮 一慶】