NY円相場、続落 1ドル=152円60〜70銭 予想上回る米物価指標受け円売り
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2024/12/13 7:36
【NQNニューヨーク=稲場三奈】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落し、前日比20銭円安・ドル高の1ドル=152円60〜70銭で取引を終えた。朝発表の米物価指標が市場予想を上回り、円売り・ドル買いにつながった。日銀の早期利上げ観測が後退したことも引き続き円相場の重荷となった。
11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比の伸びが0.4%と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%)や上方修正された10月分(0.3%)を上回った。前年同月比では3.0%上昇と、10月(2.6%上昇)から加速した。食品価格が大きく上昇した。食品・エネルギーを除くコアは前月比0.2%上昇と、市場予想に並んだ。
米連邦準備理事会(FRB)は17〜18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げを実施するとの見方が根強い。一方、カナダ銀行(中央銀行)やスイス中銀は今週に0.50%の大幅利下げに踏み切ったほか、欧州中央銀行(ECB)も12日の理事会で0.25%の利下げを決めた。米国との金利差はなお大きいとして、ドルがユーロなど主要通貨に対して買われた場面で、対円でもドルが上昇した。
日銀が18〜19日に開く金融政策決定会合で追加利上げを見送るとの観測も円相場の重荷だった。日本時間12日午後にロイター通信が「日銀は来週金利を据え置く方向に傾いている」とし、日銀内では「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」などと伝えた。前日にもブルームバーグ通信が据え置きの可能性を報じていたあとで、据え置き観測が一段と強まった。日米金利差の拡大観測による円売り・ドル買いも出た。
円の安値は152円69銭、高値は151円81銭だった。
円は対ユーロで4営業日ぶりに反発し、前日比30銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=159円70〜80銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで5日続落し、前日比0.0025ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0465〜75ドルで取引を終えた。ECBが12日に示した経済・物価の見通しなどを踏まえ、ECBの利下げに前向きな姿勢が改めて意識され、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。
ユーロの安値は1.0464ドル、高値は1.0521ドルだった。