社説]対米交渉でトランプ関税全廃の要求貫け
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2025/5/2 19:05
トランプ米政権の高関税政策を巡り、2回目の閣僚交渉に臨む(右から)赤沢経済再生相と米国のベッセント財務長官、ラトニック商務長官、USTRのグリア代表=1日、ワシントン(代表撮影・共同)
なによりも、米国が理不尽なトランプ関税を全廃するのが筋である。対米交渉を本格化する石破茂政権は自由貿易を守るという原則を忘れずに、自動車や鉄鋼など個別製品への関税を含めて見直しを求めていくべきだ。
赤沢亮正経済財政・再生相が1日、ワシントンでベッセント米財務長官らとの閣僚協議に臨んだ。
4月16日の初交渉に続く2回目で、今後は事務レベルでの集中的な協議をへて、5月中旬以降に改めて閣僚級の会合を開く方向で調整する。
赤沢氏は協議後に「貿易拡大、非関税措置、経済安全保障の協力」を話し合ったと明かした。一方、米側は交渉の主な対象を国や地域ごとに課す「相互関税」に絞り、自動車や鉄鋼・アルミニウムへの関税引き下げには後ろ向きな案を示したもようだ。
日本にとって、とても受け入れられる内容ではない。自動車と鉄鋼・アルミへの追加関税はすでに発動済みだ。これらの製品の関税引き下げを交渉の枠組みから切り離すのであれば、日本は米側が求める自動車に関連する非関税障壁の見直しや農産物の輸入拡大に応じるべきではない。
トランプ政権は5月3日に、自動車部品への25%の追加関税を新たに発動する予定だ。
それに先立ち米国内で生産する完成車を対象に、使用した輸入部品にかかる関税を一部免除する措置の導入を発表した。2年間限定で、その間に自動車の生産に必要な供給網の米国移管をねらう。
今回の措置は、ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手「ビッグ3」の懸念を受けた面が大きい。米国販売車に占める部品の輸入比率は、ビッグ3でも平均6割に達する。自動車関税が米企業の利益にもならない象徴といえる。日本側はトランプ政権にそれを粘り強く訴えるべきだ。
トランプ氏が相互関税の上乗せ分の発動を90日間停止すると発表したのは4月9日だ。期限は7月9日ごろとなり、米側は各国にそれまでの交渉妥結を迫る。
逆算すると、6月15〜17日にカナダで開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせた日米首脳会談が、交渉のヤマ場になる可能性がある。
石破首相は他の国や地域とも連携しながら、自由貿易を守るという使命感をもってトランプ氏と向き合ってもらいたい。