、54ドル高 インフレ懸念の後退が支え
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2025/5/31 5:34 (2025/5/31 6:50 更新)
【NQNニューヨーク=稲場三奈】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比54ドル34セント(0.12%)高の4万2270ドル07セントで終えた。同日発表の物価指標を受けてインフレ懸念が後退し、主力株に買いが入った。半面、米中の貿易を巡る緊張感は相場の重荷となり、ダウ平均は300ドルあまり下げる場面があった。
30日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.1%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.2%上昇)を下回った。市場では「インフレの減速傾向が続いていることを示した」(ハリス・ファイナンシャル・グループのジェイミー・コックス氏)と受け止められた。
ミシガン大学が同日発表した5月の米消費者態度指数(確報値)は52.2と市場予想(51.5)を上回った。過去2番目の低さとなった速報値(50.8)から上方修正された。1年先のインフレ予想は6.6%、長期予想は4.2%とそれぞれ速報値から下方修正された。市場では「米経済の底堅さが確認された」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
ダウ平均は下げる場面もあった。トランプ氏は30日、自身のSNSに、中国が米国との「合意を完全に破っている」と投稿した。29日にはベッセント米財務長官が中国との貿易交渉について「やや行き詰まっている」との認識を示したと伝わった。これとは別に、米ブルームバーグ通信は30日、米政権が中国のハイテク部門に対する規制を拡大する計画だと報じた。
一方、在米中国大使館の担当者は30日に米NBCニュースに対し、トランプ氏の投稿について「このところ中国は米国の半導体分野などの輸出規制措置の乱用に対する懸念を高めている」と語り、「中国は今一度米国が誤った行動を直ちに是正するよう強く求める」とも述べた。
トランプ氏は30日午後の記者会見で「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談することになるだろう」と述べた。協議が「うまくいくことを願う」とも語ったが、市場では米中の緊張が再び高まるとの懸念が改めて広がった。
個別では、ウォルマートやユナイテッドヘルス・グループ、ウォルト・ディズニーなどが買われた。半面、ナイキやキャタピラー、シェブロンは下げた。四半期決算を受けて前日に大きく買われたエヌビディアも下落した。
ダウ平均は月間では1600ドル高となり、4カ月ぶりに上昇した。関税を巡り米政権と各国・地域の交渉が進展したことが追い風となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比62.105ポイント(0.32%)安の1万9113.767(速報値)で終えた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同日、今後も米政府効率化省(DOGE)の仕事を支援していく姿勢をみせたことを受け、テスラが3%安となった。ナスダックは月間で9.5%高となり、上昇率は2023年11月以来の大きさとなった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反落した。前日比0.48ポイント安の5911.69で終えた。月間では6.1%高と、23年11月以来の上昇率となった。