米国は、イランとの核交渉は思う方向に決着できない見通しと結論づけ、イランの核保有を絶対に許さぬ決意を示したことになる。クリントン政権がかつて、北朝鮮の核施設攻撃を一歩手前で止めたのと対照的である。北朝鮮に比べイランの核保有に脅威を覚える国が、周辺地域で多数だったこともあるだろう。今後イランがどのような反撃を行うかが注目される。もしイランが本音では米国との交戦を避けたいのなら、派手に見えても決定的な被害に至らぬ手段を講じるであろう。しかしイランが軍部の怒りに引っ張られるなどすれば、米軍基地攻撃やホルムズ海峡封鎖も必ずしも否定できない。今後は、核施設攻撃の成功具合、およびイランの反応を見極めたい。