なぜ円安が続いているのか。一橋大の深尾京司特命教授(マクロ経済学)は「生産性低迷や生産の海外移転により、(物価や景気変動の影響を除いた)『均衡実質為替レート』が円安にシフトし、日本の実質金利が低いことで生じている」と診断した。
ブラウン大の北川透教授(計量経済学)は「円安がこのまま続くとスキルの高い人材の海外流出が加速し、国内でイノベーションが起きにくくなる悪循環に陥ってしまう」と長期的な影響について言及した。
長期金利上昇で「投資縮小」
1月は長期金利の指標となる新発10年債利回りが一時2.38%と27年ぶりの高水準を記録した。経済学者に長期金利の上昇が日本経済に与える影響も問うと、「マイナス面が上回る」とする回答が52%だった。
Q.現在の長期金利の上昇は、日本経済にとってマイナス面よりプラス面が大きい
長期金利の上昇は国債価格の低下を意味する。政策研究大学院大の北尾早霧教授(マクロ経済学)は「直近の急上昇は財政拡張や消費税減税を巡る議論を通じ、日本の長期的な財政運営に対する不透明感が悪い形で可視化された可能性が高い」と分析した。
民間への悪影響を懸念する見方も多かった。一橋大の佐藤主光教授(財政学)は「長期金利の上昇は国債の利払い費を増やして財政を圧迫するだけではなく、民間企業の資金調達コストを高めることで投資を損ないかねない」と述べた。
慶応大の坂井豊貴教授(メカニズムデザイン)も「長期金利は投資収益が獲得すべき最低限のベンチマークの面をもつ。成長の見通しが十分でない状況で上昇すれば、投資の縮小を促すのではないか」と記した。
長期金利の上昇はプラスか(経済学者の主な意見)