バンブーズブログ

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基軸通貨ドルが不安定になっている

[社説]通貨の信認を自らおとしめる危険冒すな
 
 
#社説 #オピニオン #為替・金利
2026/1/29 19:05
 
トランプ米大統領㊧からの強い圧力を受けるFRB。パウエル議長は政治からの独立が重要だと訴える=ロイター
基軸通貨ドルの値動きが不安定になっている。根本にはトランプ米大統領の暴走がある。国際秩序を無視した経済・軍事面での対外的なふるまいだけではない。司法権力まで使って米連邦準備理事会(FRB)の支配をもくろむ。

米国そのものへの信頼が揺らぎ市場ではドルや米国債を敬遠する空気も漂う。金価格の高騰はその表れだ。通貨の信認を自らおとしめる危険を冒すべきではない。

FRBは28日の米連邦公開市場委員会FOMC)で4会合ぶりに利下げを見送った。政権の圧力が続くなか、雇用の下振れリスクは和らいだとして、物価高の行方にも目を配る姿勢を示した。

パウエル議長は本部ビル改修工事を巡り議会に虚偽の説明をした疑いで刑事捜査の対象となった。クック理事はトランプ氏から解任を通知され最高裁で争う。政権のFRB支配の意図は明らかだ。

パウエル氏は、金融政策について「選挙サイクルのなかで政治的に有利な形で経済に影響を及ぼす手段として悪用される可能性がある」と指摘し、政治の思惑を排して判断する必要性を訴えた。

トランプ氏は政権の浮揚へ利下げを強要する考えだが、インフレ加速のリスクと隣り合わせだ。独裁的な指導者の新興国などならいざしらず、米国は世界の経済・金融取引に欠かせない基軸通貨ドルを抱える。影響は世界に及ぶ。

グリーンランドの領有を求めて欧州と対立した際には、欧州各国が米国債を手放すとの思惑が台頭し、米長期国債の価格下落(長期金利の上昇)を招いた。

ニューヨーク連銀が円買い介入の準備作業に入ったとの観測で円が反転上昇するなか、トランプ氏がドル安容認ともとれる発言をすると、ドル売りに拍車がかかった。ベッセント米財務長官は「強いドル政策」を掲げつつ介入の実施を否定し、火消しに追われた。

過度な円安を食い止める意味で日米当局間の連携は望ましい。ただし、強い売り圧力にさらされているのはドルも同じだ。ドルと米国債の安定も同時に果たすような緻密な協調策が問われる。

日本ではインフレ型経済に転換するなか、衆院選を控えて各党が需要刺激型の財政拡張を競う。緩和ぎみの金融政策との組み合わせでは円安や物価高を助長し、財政の負担は一段と増す。市場で財政悪化の懸念に火がつく前に望ましい政策のあり方を詰めてほしい。