民間技術の軍事転用を警戒
きょうのことば
#調査報道 #社会・調査
2023/6/19 2:00
▼外為法 安全保障や国内産業の育成のために、外国との貿易や資本取引を必要最小限の範囲で規制する法律で、正式名称は外国為替及び外国貿易法。財務省と経済産業省が所管し、貿易管理は経産省が担っている。軍事転用が可能な技術が安全保障上の懸念のある国やテロリストに渡らないよう、特定の貨物の輸出入などを行う場合は経産相の許可が必要になる。
制定されたのは第2次世界大戦後の1949年。当初は日本の経済環境を反映して対外取引を「原則禁止」としていたが、経済協力開発機構(OECD)への加盟など60年代以降の資本自由化の流れを受け、80年に「原則自由」とする法体系に改められた。近年はIT(情報技術)の発展で軍事転用されかねない民間技術が増えたことなどにより、審査を厳しくする傾向が強まっている。
日本政府はロシアのウクライナ侵攻後、外為法に基づいて通信装置やハイテク製品のロシアへの輸出を原則禁止した。ミサイルや軍用機の基幹部品となる半導体の輸出についても段階的に規制を強化するが、他国を経由する取引を十分に規制できないなど課題がある。