NYダウ続落、91ドル安 ハイテク大手の決算控え様子見
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2024/10/31 5:33(2024/10/31 7:22 更新)
【ニューヨーク=野一色遥花】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比91ドル51セント(0.22%)安の4万2141ドル54セントで終えた。米企業の2024年7〜9月期決算の発表が本格化するなか、投資家は選別物色を進めている。テック大手の決算を見極めようと様子見ムードもあり、相場全体を押し上げる動きは限られた。
多くの機関投資家が運用の物差しとするS&P500種株価指数は0.3%安で終えた。前日に最高値を付けていたハイテク株中心のナスダック総合株価指数も0.6%下落した。
29日に決算を発表した米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は10〜12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことが失望を誘い、株価は11%安と急落した。エヌビディアやインテルなど半導体株は総じて軟調だった。建設機械のキャタピラーは7〜9月期決算で市場予想を下回り、2%下げた。
相場をけん引してきたテック大手の決算発表を前に積極的な買いを控える投資家も多かった。31日に決算発表予定のアップルは約2%安だった。30日の引け後に決算を発表したメタも下げた。
米証券ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「高金利の長期化で株の割高感が強まり、テック大手株の様子見姿勢につながった」と指摘する。米長期金利の指標となる10年物国債利回りは30日に4.3%を超える場面もあった。
好決算の企業には買いも入った。グーグル親会社のアルファベットは増収増益となったことを好感して一時7%上昇し、終値は3%高だった。クレジットカード大手ビザも3%上昇した。
30日朝発表の24年7〜9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で2.8%増えた。市場予想並みかやや下回る水準だったが、2%程度とされる潜在成長率と比べると、米景気はなお強い様子を映した。投資家の安心感につながり、ダウ平均は200ドル超上げる場面もあった。
同日発表の10月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比23万3000人増と市場予想(11万3000人増)を大幅に上回った。強い雇用は景気の底堅さを裏付ける半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化も招きうる。市場参加者は11月1日発表の10月の米雇用統計の結果を注視している。