自民・国民民主、政策協議入り合意 経済対策・税制巡り
#石破政権 #衆議院選挙2024 #政治
2024/10/31 19:05
会談に臨む自民党の森山幹事長(右)と国民民主党の榛葉幹事長(31日午前、国会内)
自民党と国民民主党は31日、経済対策や税制改正をめぐる政策協議に入ることで合意した。自民党は連立を組む公明党を含めた3党が政策ごとに協力する「部分連合」を目指す。石破茂政権の存続のため、国民民主の政策をどこまで受け入れるか議論する。
自民党の森山裕幹事長と国民民主の榛葉賀津也幹事長が31日、国会内で会談した。11月中にまとめる経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案に加え、25年度予算案や税制改正に関して話し合う。近く3党の政調会長が具体的な協議を始める。
首相と国民民主の玉木雄一郎代表が党首会談することも一致し、11月9日以降で日程調整する。
森山氏は会談後、記者団に「それぞれ民意を受けて会派をつくっているので、できるだけ政策に生かす」と語り、国民民主の政策を一部取り入れる考えを示した。
国民民主は所得税の非課税枠の拡大を重視する。現行の年103万円から178万円への引き上げを提起する。政府は非課税枠を75万円分上げると年7兆6000億円ほど税収が減ると試算する。
玉木氏は31日、国会内で記者団に引き上げが協力の条件になると強調した。「全くやらないということであれば、当然協力できない。そのときは予算も法律も通らないということだ」と話し、政府・自民党内にある慎重論をけん制した。
ガソリン税の一部を下げる「トリガー条項」の発動も求めている。同条項は全国平均のガソリン価格が3カ月連続で1リットル160円を超えると、税金からおよそ25円を差し引く仕組みだ。東日本大震災の復興財源を確保するため凍結している。
自公両党は衆院選で過半数の議席を維持できなかった。政策協議で協力の機運ができれば、11月11日にも召集される特別国会の首相指名選挙で石破首相の再選に追い風になる。24年度補正予算案の早期成立にも野党の協力が欠かせない。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得る候補がいない場合、上位2人で多数を争う決選投票に移る。首相と立憲民主党の野田佳彦代表に絞られるとの見方が多い。
榛葉氏は森山氏との会談で決選投票でも玉木氏に票を入れる方針を伝えた。首相と野田氏の決選となった場合、玉木氏への票は無効となり、最も多くの議席を持つ自民党に有利に働くとみられる。森山氏は記者団に「大変ありがたい」と語った。
3党の協議が難航すれば石破首相の政権運営は見通せなくなる。国民民主が掲げる所得税の非課税枠の拡大やトリガー条項の発動といった減税策に踏み切った場合、代替財源を確保できなければ財政健全化はさらに遅れるリスクがある。