バンブーズブログ

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全固体電池とは 『きようのことば』

 エネルギー、液体より高密度
 
きょうのことば
 
2023/6/13 2:00
▼全固体電池 繰り返し充電できるリチウムイオン電池の正極と負極の間にある電解質を液体から固体に切り替えた電池。電解質が液体の場合に比べて、エネルギー密度が高く、同じ大きさの電池で電気自動車(EV)の航続距離を伸ばせる。固体電解質は液体の電解質より発火しにくく、安全性も高いとされる。

 
実用化に向けた最大の技術的課題は耐久性だ。固体の電解質と電極を密着させても、充放電で電極が膨張・縮小を繰り返すうち性能が低下する。足元では改良が進み、充放電時にまったく膨張・収縮しない特殊な電極で、少なくとも数百回、ほぼ劣化せずに充放電できたとの大学での研究成果もある。固体電解質の中で電気を運ぶイオンが動きにくく、急速充電に向かないとされてきたが、近年は優れた材料も見つかっている。

低コストで量産する技術の確立も不可欠になる。電解質を液体から固体に切り替えると電池の製造工程そのものを見直す必要があるためだ。電解質が「硫化物系」の場合、水分に触れると有毒な硫化水素が発生する。乾燥状態で生産できる設備が必要になる。また、一般的には全固体電池もリチウムなどの希少金属を使用するため、資源調達にも課題が残る。