#インバウンド #経済
2024/1/18 2:00
外国人観光客らでにぎわう清水寺周辺(京都市東山区)
訪日客の消費が新型コロナウイルス禍前を超えた。17日公表の2023年訪日客の旅行消費額は計5兆2923億円で過去最高だった。同年の訪日客数は2506万人でコロナ禍前の2019年の8割に回復した。消費の目的別では宿泊費が最も多く、買い物よりも体験を重視する傾向が強まっている。企業は戦略転換を急いでいる。
観光庁が17日に公表した23年10〜12月期の訪日客の旅行消費額(速報値)は1兆6688億円で19年同期比で37.6%増えた。日本政府観光局(JNTO)も同日、23年12月の訪日客数は273万4000人で19年同月比では8.2%増だったと発表した。
消費額は政府が目標として掲げていた通年5兆円を初めて突破した。目的別では最も多かった宿泊費で1兆8289億円で、買い物代が次いで1兆3954億円だった。構成比でみると宿泊費は19年の29.4%から23年は34.6%に増え、買い物代は34.7%から26.4%に減った。
観光分野に詳しいEYジャパンの平林知高パートナーは、「買い物よりも宿泊や飲食、アクティビティーなど体験重視の消費に関心が高まっている」と分析する。欧米を対象にした民間の調査でも、日本独自の「伝統文化」や「伝統料理」が訪日したい理由の上位に並ぶ。加えて治安の良さも訪日客をひきつけている。