バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

日韓協力の歩みを大切にしてほしいです‼️

[社説]与党大敗でも日韓協力の歩みを着実に
 
 
#社説 #オピニオン
2024/4/12 19:15
 
韓国総選挙での与党敗北で尹錫悦大統領の求心力が低下するのは避けられない(5日、ソウル)=AP
10日投開票した韓国総選挙で与党の国民の力が目標の過半数どころか選挙前の議席も割る大敗を喫した。2027年の尹錫悦大統領の任期切れまで少数与党の逆境が続くが、それでも日韓は正常な軌道に乗りつつある協力関係を着実に前に進めるべきだ。

定数300のうち保守系の国民の力が系列政党を含めて6議席減らし108議席にとどまったのに対し、革新系最大野党の共に民主党は系列と合わせ19議席の上積みで175議席過半数を占めた。曺国元法相が率いる革新系の祖国革新党も第3党に躍進した。

選挙戦は「尹政権の審判」の色彩を強めた。尹氏の指導力は対日関係を劇的に修復させる一方で、自らが正しいと思えば突き進む政治スタイルが多くの国民には傲慢と映ったようだ。暮らしを直撃する物価高も政権に矛先が向けられ、与党の逆風となった。

元徴用工問題や原発処理水の海洋放出でも日本の対応を批判する野党勢力は今後、尹政権への攻勢を強めるとみられる。いたずらに対日強硬で世論をあおるのはよくない。尹氏は外交路線を変えない見通しで、与党も大局的な立場で支えてもらいたい。

日韓関係は18年の韓国での元徴用工判決と日本の韓国向け輸出管理の厳格化などによって「戦後最悪」とも呼ばれた。その後、岸田文雄、尹両政権のもとで著しく改善し、安全保障や経済分野での連携が進んでいる。その歩みを遅らせる余裕は両国にない。

周囲を見渡すと北朝鮮の核・ミサイルの脅威は共通課題である。中国は強権の度合いを深め、同盟を結ぶ米国でも再選をめざすバイデン大統領の政策が内向きになっている。地域の安定は日韓にとりわけ重要であり、声をそろえて行動することで影響力が増す。

朝鮮半島や台湾の有事をにらんだ3カ国協力の具体化がまさに始まろうとしている。10日に日米首脳が顔を合わせ、7月の北大西洋条約機構NATO)首脳会議で調整されている日米韓首脳会談も重要だ。韓国政局を地域安保に波及させない努力が必要になる。

尹氏は「総選挙での国民の意思を謙虚に受け止め、国政を刷新する」と語った。政策を進めるため国民と丁寧に向き合ってほしい。日韓が重層的な関係を築くのは日本の国益につながる。世界のなかの日韓というグローバルな視点で互いに知恵を出しあいたい。