バンブーズブログ

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日韓、関係改善が軌道に 岸田首相「安保協力を強化」


 
尹大統領は「歴史より未来の協力」
#日韓 #政治 #外交・安全保障
2023/5/7 23:58
会談で韓国の尹錫悦大統領(右)と握手する岸田首相(7日、ソウル)=共同
【ソウル=小林恵理香】岸田文雄首相は7日、ソウルの韓国大統領府で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と1時間45分ほど会談した。日韓関係について「改善の動きが軌道に乗った」との認識で一致した。核・ミサイルの開発を加速する北朝鮮に対抗するため、安全保障協力を深める方針も確認した。

会談は少人数形式で始まり、途中から政府関係者が同席した。首相の訪韓は、2018年2月に安倍晋三首相が冬季五輪が開かれた平昌(ピョンチャン)を訪れて以来、5年ぶりとなる。

日韓首脳が互いの国を訪問し合う「シャトル外交」は12年ぶりの再開となった。首相は尹氏を5月19〜21日の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待しており2カ月で3度顔を合わせる。


首相は会談後の共同記者会見で「日韓関係強化の機運を確かなものにしていきたい」と表明した。「未来に向けて韓国側と協力していくことが私の責務だ」と語り、北東アジア情勢などを踏まえて米国を交えた安保協力を強める意向を示した。

尹氏は会談の冒頭で「両国の歴史問題が完全に整理されない限り、未来の協力に一歩も踏み出せないという認識から抜け出さないといけない」と述べた。

両首脳は東アジアの安保情勢で協議した。北朝鮮がミサイルを発射した際の情報を即時共有する仕組みの構築を進める方針を確かめた。

米韓首脳は4月、核の運用に関して情報を共有する新たな協議体を設けることで合意した。尹氏は記者会見でこの協議体に関して「日本の参加を排除しない」と説明した。G7サミットで予定する日米韓首脳会談で議題となる可能性がある。

経済安保についても話し合った。半導体サプライチェーン(供給網)の構築に向けて日韓両政府は連携する。韓国経済の屋台骨である半導体産業では日本のサプライヤー企業が高い技術力を持つ。

日本が韓国向けの半導体の材料などの輸出を厳しく管理していた問題は4月に解決し、協力の環境は整った。

韓国政府が発表した元徴用工問題の解決策を巡り、尹氏は記者会見で「忠実に履行していく」と言及した。

首相は「多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いたことに胸を打たれた」と語った。「多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と話し、日本政府の歴史認識の立場を今後も継承すると言明した。

原発処理水めぐり韓国視察団を受け入れ、月内に来日へ

岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は7日の会談で、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を巡り韓国の専門家らによる視察団を5月に受け入れると合意した。

首相は会談後の記者会見で「韓国国民の健康や海洋環境に悪影響を与える放出を認めない」と明言した。尹氏は首相の姿勢を評価した。