バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

英国総選挙に注目‼️

[社説]迷走を終わらせる英総選挙に
 
 
#社説 #オピニオン
2024/5/31 2:00
 
スナク首相㊨(ゲッティ=共同)の保守党からスターマー党首(ロイター)率いる労働党に14年ぶりの政権交代が現実味を帯びている
英国の議会下院(定数650)が30日に解散した。7月4日に総選挙が実施される。スナク首相の与党・保守党は、スターマー党首率いる最大野党の労働党に支持率で水をあけられており、14年ぶりの政権交代が現実味を帯びる。

スナク氏は「英国が未来を選択する時だ」と訴えた。2020年に欧州連合EU)を離脱した後、首相が短期間で交代し、産業や金融の力が弱まった。国の迷走を終わらせるべく、与野党は長期の視点で政策を競ってほしい。

秋と見られていた総選挙をスナク氏が前倒ししたのは経済に好転の兆しがあるからだ。1〜3月の実質国内総生産GDP)は3四半期ぶりにプラス成長となる一方、物価上昇は和らぎつつある。

しかし、08年の金融危機後の成長は鈍く、国際通貨基金IMF)は労働制度などの面での改革の必要性を指摘している。

選挙戦では経済の立て直しが最大の争点となる。

保守党は減税を軸に経済の活性化を進める路線を続けそうだが、大規模減税案で金融市場を混乱させ退陣したトラス前首相の失態は記憶に新しい。市場の目も意識した政策にしなければならない。

労働党は教育や医療の充実を重視するとみられる。法人増税の封印など「親ビジネス」の路線も意識している。今後は財源を伴う具体的な経済政策を明らかにし、論戦に臨んでほしい。

英国が直面する不法移民の問題は、選挙戦を通じて現実解を探る必要がある。

国外に目を転じれば、喫緊の課題はウクライナ支援の強化だろう。内向きの議論に終始することなく、ロシアの攻勢を受けるウクライナへの軍事支援の拡大では足並みをそろえるべきだ。

英国はEU離脱後、日本と次期戦闘機の共同開発に取り組むなど、アジアとの関わりを深めた。日本には、EUとの関係改善を重視する労働党が政権をとった場合でも、英国とのつながりを太く保つための外交戦略が求められる。