バンブーズブログ

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⭐️世界を驚かせた大谷翔平

[社説]世界驚かせた大谷翔平選手の偉業
 
 
#社説 #オピニオン
2024/9/21 19:00
 
マーリンズ戦で三盗し、50盗塁を達成した大谷選手=共同
米大リーグ、ドジャース大谷翔平選手がシーズン「50本塁打、50盗塁」を達成した。メジャー史上初となる偉業をたたえたい。

大谷選手の挑戦心、向上心は夢を持つ若者や子どもを勇気づけている。突出した才能が世界で活躍できる環境づくりに向けた道標にもなるだろう。

「40本塁打、40盗塁」でさえ、到達したのは大谷選手を含めて6人しかいない。パワーとスピードを兼ね備えた類いまれな才能とともに、本人のたゆまぬ努力を証明するものだ。

大リーグ7年目となる今シーズンを、順風の中で迎えたとは言い難い。ドジャースへの移籍という環境の変化。肘の手術で投打の「二刀流」を一時的に断念することになり、3月には元通訳の違法賭博が発覚した。

心の内に不安や重圧を抱えていたかもしれないが、それを感じさせぬ活躍だった。変わらぬ謙虚な人柄と笑顔も人々を魅了した。本人が目標に掲げていたプレーオフへの進出も決まった。引き続きエールを送りたい。

大谷選手の活躍は、日本の次世代の育成を考えるうえでのヒントにもなろう。

本の学校教育は学力などの格差が小さい一方、個性や長所を伸ばす素地が乏しい。「ギフテッド」と呼ばれる特異な才能がある子どもが適応できず、悩みを抱えるケースもある。

大谷選手はプロ入り前から大リーグを目指し、周囲もそれを支えてきた。スポーツだけでなく、一人ひとりの興味関心に応じて科学研究や文化活動に取り組める場を増やさねばならない。つまずきを許容する寛容さも大切だ。

広い世界に挑む積極性も育てたい。主要国の中で、日本の高校生の「内向き志向」は顕著である。海外への留学や進学を後押しする奨学金を増やすなどの環境整備が必要だ。

多様な人々が暮らす社会で磨き合い、成長を続ける。スーパースターの背中から学ぶ点は多い。