#ウクライナ侵攻 #中国・台湾 #ヨーロッパ
2023/3/30 3:57
ゼレンスキー大統領は中国の習近平国家主席をウクライナに招いたと明らかにした=AP
【ドバイ=福冨隼太郎】ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のウクライナへの訪問を要請したことを明らかにした。AP通信のインタビューに答えた。ロシアのウクライナ侵攻で中国は独自の仲裁案を示しており、和平に向けたウクライナ側の立場を説明したい考えとみられる。
AP通信によると、ゼレンスキー氏は「我々は習氏と会う準備ができている。彼と話をしたい」と強調。「本格的な戦争の前に彼と話したことがある。しかし、この1年以上は接触していない」と述べ、2022年2月のロシアによる侵攻開始後は習氏と接触がないことも明らかにした。
中国は2月、ロシアとウクライナの双方に「停戦」を呼びかける12項目からなる独自の仲裁案を提示した。核兵器の使用や原子力発電所への攻撃に反対を表明し、戦後復興の支援を国際社会に促しつつ中国も「建設的役割」を果たすとした内容だ。一方、ロシア軍のウクライナからの撤退を明確に求めていない。
習氏は20〜22日にモスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談した。プーチン氏は中国の仲裁案を評価した。両者は21日に出した共同声明で「責任ある対話が最良の道」とも強調。停戦交渉の早期の再開など和平を呼びかける姿勢を示していた。
中国が仲裁役として振る舞うことに、ウクライナを支援する米国は懸念を深めている。ブリンケン米国務長官は28日、ロシアとの停戦協議について「表面的に魅力的に見えることがワナである可能性がある」と指摘。中国の仲裁案に警戒感を示したとみられる