金融システムの底割れ防ぐ
きょうのことば
#金融機関
2023/5/13 2:00
▼公的資金 経営が悪化した金融機関を支援するために国が投入するお金。金融危機の際に銀行が連鎖破綻して企業に資金が回らなくなり、不況が悪化するのを防ぐ。不良債権問題が深刻になった1998年から2003年の間に、累計約12兆円の公的資金が大手行を中心に資本注入された。りそなホールディングスへの注入額は一時3兆円超に膨らんだ。
08年のリーマン・ショック後の世界的な金融危機では震源地の米国だけでなく、各国が多額の公的資金を大手金融機関に資本注入した。金融危機の回避には公的資金を投入して金融システムの底割れを防ぐという認識が定着してきた。
一方、11年に施行した改正金融機能強化法は東日本大震災で被災した金融機関の特例を盛り込み、公的資金を注入しても経営責任を問わないことを明確にした。新型コロナウイルス禍の20年には地方経済の支援を目的に強化法を改正し、公的資金の性質も変わってきた。山形県が地盤のきらやか銀行と親会社のじもとホールディングスは4月、コロナ特例を活用して公的資金注入を申請すると発表した。
