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米地銀FRC破綻、JPモルガンが買収 過去2番目の規模


 
 
#金融機関 #北米
2023/5/1 16:37 (2023/5/1 18:58 更新)
FRCは経営不安で株価が急落していた(写真はFRCのニューヨーク市内の支店)=ロイター
【ニューヨーク=斉藤雄太】米連邦預金保険公社FDIC)は1日、米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表した。同時に米銀最大手JPモルガン・チェースがFRCのすべての預金と資産を買収するとも発表した。3月の米地銀シリコンバレーバンク(SVB)の破綻後、財務が脆弱だったFRCの預金も急減し、信用不安が広がっていた。

公表文によると、FRCが本社を構えるカリフォルニア州の金融当局が1日に同行を閉鎖し、FDICを破綻管財人に指名した。FDICは速やかに引き受け手になる銀行の競争入札を実施し、JPモルガンがFRCの抱えていたすべての預金と実質的な全資産を引き継ぐことになった。FRCが米国内8州に構える84支店はJPモルガンの支店として1日に営業を再開する予定という。

FRCの資産規模は2022年末時点で全米14位だった。23年4月13日時点の総資産は2291億ドル(約31兆円)。破綻した米銀の資産規模としては3月に破綻したSVBを上回り、リーマン危機時の2008年秋に破綻したワシントン・ミューチュアル(約3070億ドル)に次ぐ過去2番目の大きさとなった。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は声明で「政府が我々に(FRC救済で)協力を要請し、それを実行した」と述べた。「我々の財務の強さや能力によって、預金保険基金のコストを最小化する方法で取引を実行できた」とした。

FRCは本店のあるサンフランシスコに加え、ロサンゼルスやニューヨークなどに拠点を構え、富裕層向け事業を軸にここ数年で業容を急拡大していた。1口座あたり25万ドルまでの預金保険の対象外となる大口預金比率は昨年末時点で全体の7割弱と、約9割のSVBに次ぐ高い水準だった。

3月10日にSVBが破綻するとFRCにも経営不安が飛び火し、預金の取り付けが生じた。同社は3月半ばに米銀最大手JPモルガン・チェースなど大手11行から300億ドルの預金を受け入れた。信用不安の広がりを防ぐための官民連携の救済措置だったが、資産の劣化や収益力の低下といった経営難は続いていた。