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ご結婚30年を迎えられる天皇皇后両陛下 雅子さまが語られた「心に残る名言」

来月、
つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
5/25(木) 14:00
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

雅子さま(写真:ロイター/アフロ)
来月、天皇皇后両陛下はご結婚30年を迎えられる。長い道のりの中には、さまざまな出来事があり、喜びの時も悲しみの時もあった。

その歳月の中で、節目節目で話された、あるいは文書回答に綴られた、お言葉の数々からは、雅子さまの心の内に宿る、陛下や愛子さまへの深い慈しみのお気持ちが伝わってくる。

 

◆ご婚約内定記者会見、そしてご結婚
平成5年、ご婚約内定記者会見で、陛下のプロポーズの言葉を「雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」と、少し恥ずかしそうに明かされた。

陛下が雅子さまに寄せられる強いお気持ちとその真摯な姿勢に、雅子さまも胸を打たれ、このように思われたと話された。

 

「私にできることでしたら、殿下のことを幸せにして差し上げたい」

 

お互いに幸せになろうと確かめ合っておられたお二人。

そのお言葉の内には、我々一般の国民と変わることのない、純粋で一途な結婚の決意が込められていた。

 

そして、ご結婚5年目の記者会見では、ご夫婦円満の秘訣について、雅子さまはユーモアたっぷりにこんなお話をされた。

 

「よく『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』と申しますけれども、喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」

 

当時、両陛下が飼っていらっしゃった、愛犬のピッピとマリになぞらえたご回答に、記者会見の場でも笑いがこぼれていた。

小さないさかいは、ともに愛情を注ぐ愛犬を可愛がるうちに、すっかり忘れてしまい、いつのまにか仲直りしてしまうという、両陛下のおおらかな日常が感じられる。

 

◆すくすくと成長される愛子さま
愛子さまがお生まれになった翌年のお誕生日に際しての記者会見では、愛子さまの健やかなご成長を話されている。

目を細めて笑顔で語られる雅子さまの表情からは、母となって子育てに奮闘する大変さよりも、幸せな楽しさが伝わって来た。

 

「(愛子さまは)皇太子さまに似ましたのか、何ていうのかしら、ゆったりと、どっしりとしております」

 

愛子さまご誕生の年に話された「生まれてきてくれてありがとう」に象徴されるように、雅子さまはわが子にずっと深い愛情を注いでこられた。「ゆったりと、どっしりと」と語られたのは、雅子さまが感じた命の重さなのかもしれない。

 

      ご誕生された愛子さまと母親になられた雅子さま(写真・ロイター/Toshiyuki Aizawa)
 

しかし、子育てにおいても困難が待ち受けていた。

愛子さま学習院初等科2年生の時、一部の児童による乱暴が原因で、学校に行けなくなられたのである。

それからおよそ1年7か月の間、毎日のように、愛子さまとご一緒に雅子さまは学校まで付き添われた。

 

子供の登下校や授業に付き添うことに批判の声もあったが、雅子さまはブレることなく、わが子を守り通されたのである。

愛子さまが再び学校に通えるようになった年、雅子さまは母として、こんなご感想を綴られた。

 

「愛子が成長していく姿を心強く思いながら、母親としてできるだけの手助けをしたい」

 

ご結婚に際して陛下が「雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」とお気持ちを伝えられたように、今度は雅子さまがわが子を全力で守ろうとされたのだろう。

 

◆両陛下の道のりを振り返って
ご結婚25年の銀婚式に際して、陛下からは、

「(雅子さまに)結婚10年の折の『努力賞』と『感謝賞』のダブル受賞に加えて、銀婚式に因んで銀メダルも贈りたい」

というお言葉があり、それを受けて雅子さまは文書に以下のように綴られた。

 

「金婚式に『金メダル』をいただけますかどうかは心許なく感じますが、これからも温かい家庭を築いていくことができますよう、私のできます限り努力していきたいと思っております」

 

「銀婚式だから銀メダル」、そして「金婚式には金メダル」―。お二人のほのぼのとしたやりとりが伝わってくる。

 

この翌年、陛下は即位された。お互いに感謝し支え合う、ご夫婦の絆の強さを再認識するお言葉であった。

 

天皇皇后両陛下(写真・ロイター/Issei Kato)
 

また、去年のお誕生日に際して、雅子さまのご感想は―

「これまでの人生を思い返してみますと、29歳半までの前半にも、また、皇室に入りましてからの後半にも、本当に様々なことがあり、たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら歩んできたことを感じます」

 

雅子さまは50代最後のお誕生日を迎えるにあたって、皇室に入られた日から現在までを振り返られた。

たくさんの人びとに自らの歩みの一歩一歩を支え、温かく見守ってもらえたことに、心からの感謝を表されたのである。

 

陛下とともに歩まれたご結婚30年の軌跡。今、雅子さまは心にどんなお言葉を抱かれているのだろうか……。

「来月は天皇皇后両陛下ご結婚30年 雅子さまが力を尽くされる『3つのご活動』」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230529-00351285

「令和初の園遊会 天皇皇后両陛下は誰と何を話すのか? 知られざる『ウラ舞台』とは」https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230508-00348532