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2023/8/12 5:35 (2023/8/12 5:49 更新)
【NQNニューヨーク=戸部実華】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比105ドル25セント(0.3%)高の3万5281ドル40セントで終えた。ディフェンシブ株や石油株を中心に買いが入り、ダウ平均を支えた。一方、11日朝発表の7月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を上回った。米国のインフレ圧力が根強く、米金融引き締めが長引くとの懸念につながった。米長期金利が上昇し、ハイテク株には売りが出て、相場の重荷となった。
製薬のメルクや医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株が買われた。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンは2%高となった。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株の一角も上げた。
市場では「ハイテク株を売って、出遅れ感があった銘柄を買う循環物色が広がった」(グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド氏)との声が聞かれた。
7月のPPIは前月比0.3%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)が9月に政策金利を据え置くとの観測が根強いものの「(その次の会合がある)11月に利上げする選択肢を残す可能性が高い」(オアンダのエドワード・モヤ氏)との見方があった。物価上昇の鈍化に時間がかかれば、政策金利が高止まりするとの観測につながった。
朝方は売りが先行。ダウ平均は100ドルあまり下げる場面があった。
米債券市場では長期金利が上昇(債券価格は下落)し、一時は前日比0.06%高い4.17%を付けた。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが優勢となった。ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトが下げた。前日に大幅高となった映画・娯楽のウォルト・ディズニーは3%安で終えた。航空機のボーイングも下げ、ダウ平均の重荷となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比93.137ポイント(0.7%)安の1万3644.849で終えた。エヌビディアなど半導体関連株の下げが目立った。電気自動車のテスラや交流サイトのメタプラットフォームズも売られた。