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【幻の松本潤社長】東山紀之新社長のもと「東の嵐、西の関ジャニ∞」で率いるジャニーズ新体制


 
配信 2023年9月11日 07:15更新 2023年9月11日 07:39
NEWSポストセブン

 1962年の創業以来、同族経営を貫いたジャニーズ事務所で史上初のタレント社長が経営トップに就く。新体制で、組織の中心を担うのも事務所のDNAを受け継ぐ所属タレントたちだ。

 ジャニー喜多川前社長の性加害問題と真摯に向き合い、新しいエンタメの可能性を模索する精鋭チームの全貌とは──。

 9月2日の昼下がり、都内のボクシングジムで東山紀之(56才)が一心不乱にトレーニングに励んでいた。


 10年以上前にボクシングを始めて以来、週に数度のジム通いは欠かせないルーティンだ。東山はボクシングを通じて芝居の間合いや呼吸の合わせ方を学び、トレーニングの時間は日頃のプレッシャーから解き放たれる「息抜き」でもあるという。リングの上で汗だくになる東山。このとき、彼の胸中には何が去来していたのだろうか──。

 
 8月29日、ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が調査結果報告書に関する会見を行った。

 そこで明らかにされたのはジャニー喜多川前社長(享年87)が1950年代から2010年代半ばにわたって性加害を行ってきたことの事実認定であり、再発防止策として提言されたのは「藤島ジュリー景子社長(57才)の辞任」だった。調査結果を受けてジャニーズ事務所は9月7日に会見を行った。

「今年3月に英BBCがジャニーさんの性加害問題を追及し、元所属タレントによる実名告発が相次ぐと、ジャニーズ事務所は厳しい批判にさらされました。ジュリーさんはジャニーさんの性加害を『知らなかった』と釈明したが、急場しのぎの説明と捉えられ、状況は一層悪化したのです」(テレビ局関係者)

 ジュリー氏はこの時点で、すでに社長の座を降りる意向を固めていたという。

 ジャニー氏がジャニーズ事務所を創業したのは1962年。以来、長年にわたって同族経営を続けてきたオーナー企業において後任選びは難航を極めた。

「当初は外部からプロ経営者を招聘する案もあったが、何人かに断られたそうです。ジャニーさんの性加害問題は日本のみならず世界各国で報じられ、外部の企業が介入するにはリスクが大きすぎる。


 米国や韓国の芸能事務所から会社を買いたいという打診もあったそうですが、ジュリーさんにその選択肢はなかった。外資に売れば、これまでにジャニーズが培ってきたエンタメの文化が消え、Jr.や所属タレントがバラバラになってしまう恐れがあるからです」(前出・テレビ局関係者)


 いまいる所属タレントを守るためにも、新社長はジャニーズのDNAを受け継ぐ人物でなければならない。候補として真っ先に名前があがったのは所属タレントの中でも最年長で“ジャニーズの長男”と呼ばれる東山だった。

 ボクシングで汗を流した翌日の朝、東山はキャスターを務める報道番組『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)に生出演したが、「今日の段階ではこれ以上のコメントを控えさせていただきます」と語るにとどまった。

 キャスターとしては口をつぐんだ東山だが、実は水面下では行動に移っていた。再発防止特別チームの会見が行われたあと、後輩たちと個別で話し合う機会を設けたという。

木村拓哉さん(50才)とも会食し、お互いに腹を割って話すことができたといいます。ジャニーズの社長に就くことには大きな責任が伴い、批判の矢面に立つ覚悟が必要です。何より、所属タレントたちの同意を得ることが先決。すでに退所の意向を示しているタレントが複数いるそうで、慎重な根回しが行われていたとみられています」(前出・テレビ局関係者)

 

生田斗真が重要な役割へ

 新たな社長が検討された段階では事務所の経営に携わる幹部候補として、東山以外にも複数のタレントの名前があがった。


「中でも有力視されていたのがJr.を積極的に指導し、プロデューサーとしても高く評価される嵐の松本潤さん(40才)です。他事務所では、同年代の小栗旬さん(40才)が社長になった例もあり、変革をアピールするためにも若い松本さんを社長に推す声が内部にもありました。


 しかし、いまのジャニーズにとっては被害者や社会的責任と向き合うことが喫緊の課題。松本さんに重責を背負わせるのはあまりにも酷で、東山さんが引き受けた理由には後輩たちに苦労をかけたくない思いもあったのでしょう」(芸能リポーター

 
 松本は、嵐やKing & Princeなどのコンサートで演出を手がけ、2021年12月にジャニーズ事務所の所属タレントが総出演した『Johnny’s Festival』では総合演出の大役を担った。

 ファンのみならず、Jr.からの信頼が厚い松本が、今後組織の中心となって新しいジャニーズを支えるキーパーソンになる可能性は高い。松本と同期でプライベートでも親しい生田斗真(38才)の動向にも業界の注目が集まっている。

「俳優として活躍する生田さんはジャニーズではめずらしく、過去に一度もグループに所属したことがない。松本さんや東山さんを支えるために、すでに先輩のTOKIOKinKi Kidsにも直接、相談を持ちかけているそうで、新しいジャニーズでは重要な役割を果たしていくことになりそうです」(芸能関係者)

 一方で関西出身の人気グループやJr.を統率し、松本と同じくプロデューサーとしての能力を評価されているのが、関ジャニ∞大倉忠義(38才)と横山裕(42才)だ。2人は2018年頃から関西ジャニーズJr.の育成にあたり、なにわ男子のデビューにも貢献した。


「2人はJr.のLil かんさい、Boys beなどの指導にもあたり、彼らのステージの演出も担当しています。横山さんがプロデュースするAぇ! groupは、次期デビュー候補の最右翼。コントとダンス、歌に秀でた関ジャニ∞はJr.たちにとっても憧れの存在です」(前出・芸能リポーター


 その横山と大倉がプロデュースの参考にし、大きな影響を受けたのが松本だった。2人は嵐のコンサートを熱心に研究し、松本が演出するステージから多くのことを学んだという。

 2018年11月、大阪・京セラドームで行われた関ジャニ∞のコンサート。急遽、ステージで曲を披露することになり、緊張で震えるデビュー前のなにわ男子に大倉は3つの教訓を授けた。

「『楽しむこと』、『この景色を忘れないこと』、そして『自分たちの力でここに帰ってくること』の3つだったといいます。大倉さんは視線の位置や顔の向き、舞台装置からの登場のタイミングなど“ファン目線”を意識した細かいアドバイスを送り、彼らのステージを成功に導いたそうです」(前出・芸能リポーター

 大倉にはJr.時代に周囲に相談相手がいなかったという苦い思い出があった。自身が不安な日々を過ごしたからこそ、後輩には親身になって相談に乗り、時には厳しく指導するという。

 

◆「ぼくは表に立っていく人間」

 新体制のジャニーズでは新しい社長のもとで「東の嵐」と「西の関ジャニ∞」が大所帯を率いる。そして東西のジャニーズをまとめるのが、新社長の役割だ。


 東山がジャニーズ事務所に入所したのは1979年、12才のときだった。

「街中を歩いていたところをジャニーさんに声をかけられスカウトされたことがきっかけだったといいます。少年隊として『仮面舞踏会』でレコードデビューを果たしたのは1985年。爆発的な人気を誇り、ソロでも数々のドラマや映画、舞台などを中心に活躍してきました」(前出・芸能リポーター

 
 かつては、“ジャニーズの長男”といえば近藤真彦(59才)を置いてほかにはいなかった。自身も「ジャニーさんの跡継ぎ」と公言していたが、2020年に不倫騒動でバッシングを浴び2021年に退所したことで“次男”の東山が事務所内部で序列のトップに躍り出た。もっとも近藤とは違い、東山は経営側に回ることは考えたこともなかったという。

「2020年11月に放送された『サワコの朝』(TBS系)に出演した東山さんは『ぼくはまったくそういう(裏方に回る)のは考えてない』ときっぱり否定し、自身の立場について『出る側にいて、表に立っていく人間』と断言していました。

 一方で、カーレースに夢中になっていた近藤さんと比べ、後輩の指導には熱心でした。2018年1月に帝国劇場でジャニーズJr.が行った新春公演に特別出演し、40人のJr.を引き連れて登壇した会見で仮面舞踏会を披露したこともありました」(前出・芸能リポーター

 関連会社の社長に滝沢秀明(41才)や井ノ原が就いた例はあるが、ジャニーズ事務所本体において現役の所属タレントが役員に就いたことは一度もない。


同族経営に強いこだわりを持つメリー喜多川前会長の方針でした。1997年にジャニーズ・エンタテイメントレコードが創設された際、所属タレントでは近藤さんと少年隊の3人だけに株を与えられたことがありましたが、事務所への貢献が評価された特殊なケース。東山さんが本体の社長になることは、それ自体が大きな変革を意味しています」(前出・芸能関係者)


 40年以上、ジャニーズに籍を置き、所属タレントの中でもっともジャニー氏やジュリー氏に近い存在だった東山の社長就任には、当然、厳しい視線も向けられる。

 東京・赤坂にたたずむジャニーズ事務所の旧本社ビル。玄関の青いひさしに燦然と輝く《ジャニー・アンド・アソシエイツ》のロゴは、ジャニー氏の名前を冠した歴史ある社名だ。今年5月、その社名を変える必要性をいち早く指摘したのは東山だった。前述の『サンデーLIVE!!』で東山はこうコメントした。

「ジャニーズという名前を存続させるべきかを含め、外部のかたとともに、すべてを新しくし、透明性をもってこの問題に取り組んでいかなくてはならないと思います」

 ジャニーズの信念は「エンターテイメントを通じて世界中に幸せをお届けする」こと。新体制でもその思いは受け継がれ、グループの再編成や派生ユニットの結成などの新しい試みも検討されているという。

 逆風にさらされ、過去と対峙することで生まれ変わるジャニーズは、今後どんな進化を見せてくれるのだろうか。


※女性セブン2023年9月21日号