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2023/10/11 16:06 (2023/10/11 16:22 更新)
札幌市役所に掲げられている2030年冬季五輪・パラリンピック招致のポスター=共同
札幌市の秋元克広市長と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は11日、東京都内で記者会見し、2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を断念すると表明した。山下会長は秋元市長に34年大会以降への変更を提案したことを明らかにし「札幌市民、北海道民には大変申し訳ない」と述べた。秋元市長は「招致に対する理解が広がったとはいえない状況」とし、今後の招致活動は「しかるべき時期に民意の確認を行う」と話した。
21年の東京大会を巡る一連の汚職・談合事件などで五輪招致には逆風が吹いており、23年4月の札幌市長選では招致反対派2候補の合計得票率が4割を超えた。9月には札幌市の市民団体が招致賛否を問うための住民投票実施に向けて条例制定を求める署名集めを始めた。
札幌市は大会運営見直しの検討を進め、10月3日には有識者委員会に原案を示したが、招致への市民の理解は深まっていないのが現状だ。
国際オリンピック委員会(IOC)は12日から14日まで理事会、15日から17日まで総会を開く予定で、開催地についての方針が示されるとの見方がある。30年招致を巡ってはフランスやスウェーデン、スイスなども開催候補地として浮上している。