バンブーズブログ

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NYダウ小幅続伸、13ドル高 長期金利低下で株買い?


 
 
#北米 #国際
2023/11/30 5:19 (2023/11/30 6:52 更新)
 
【NQNニューヨーク=戸部実華】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比13ドル44セント(0.03%)高の3万5430ドル42セントで終えた。8月上旬以来の高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ局面が終了したとの観測が一段と強まっている。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らぎ、株買いを支えた。もっとも、取引終了にかけて利益確定売りも出て、上値は重かった。

FRBのウォラー理事が前日の講演で、経済を減速させ物価をインフレ目標の水準まで引き下げるのに現在の金融政策が「適切な状態にあるとの確信を深めつつある」との見方を示した。インフレ率が一段と低下すれば「利下げを始められる」とも述べた。29日にはクリーブランド連銀のメスター総裁も現在の政策金利が「良い位置にある」と話した。市場では今後の経済データを見極める必要があるものの、FRB高官が利下げに言及したことで市場心理の改善につながったとの見方があった。

米国の利上げ局面の終了や来年以降の利下げの可能性が意識され、29日未明に米長期金利は4.25%と9月中旬以来の低水準を付けた。日中は低下幅を縮めたものの、前日終値(4.32%)を下回って推移した。

朝発表の7〜9月期の米実質国内総生産GDP)改定値は前期比年率5.2%増と、速報値(4.9%増)から上方修正され、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(5.0%増)も上回った。10〜12月期に成長が減速するとの見方が大勢ながらも「経済がソフトランディング(軟着陸)を達成できるとの見方を強めた」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。

午後に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)は「経済活動が減速した」と総括した。労働需給は「引き続き和らいだ」といい、物価は「高水準が続いているものの、各地区で価格上昇が穏やかになってきた」との見方が示された。市場では利上げ停止観測を後押しするとの受け止めがあった。ダウ平均の上げ幅は一時160ドルを超えた。

もっとも、買い一巡後は伸び悩んだ。ダウ平均は8月に付けた年初来高値(3万5630ドル)に迫っており、主力株の一部には目先の利益を確定する売りも出やすかった。

リッチモンド連銀のバーキン総裁は29日の米CNBCのインタビューで「インフレが低下していれば政策金利に対して特に何かする必要はない。だが、インフレが再燃すれば金利を一段と引き上げる選択肢を確保していたい」と話した。先行きの金融政策について「市場はまだはっきりとした確信を持てていない」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との見方もあった。

個別銘柄では、取引終了後に決算発表を控えていた顧客情報管理のセールスフォースの上昇が目立った。半導体インテルや金融のゴールドマン・サックス、スポーツ用品のナイキも買われた。一方、小売りのウォルマートや石油のシェブロンが安い。前日に上場来高値を更新していたソフトウエアのマイクロソフトは反落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比23.266ポイント(0.16%)安の1万4258.490で終えた。朝方には7月に付けた年初来高値(1万4358)を上回る場面があったが、11月に急速に持ち直してきた後で目先の利益を確定する売りが次第に優勢になった。交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベット、電気自動車のテスラが売られた。