百貨店大手5社、11月は全社増収 気温低下で冬物動く
#インバウンド #小売り・外食
2023/12/2 2:00
高額品の販売が好調だった(東京都中央区の三越日本橋本店)
三越伊勢丹ホールディングスなど百貨店大手5社が1日発表した11月の既存店売上高(速報値)は、全社が前年同月比で増収だった。5社が増収となるのは2カ月ぶり。11月中旬以降は気温が下がり、コートやマフラーなどの冬物商材が売れた。高級ブランドのバッグや時計といった高額品も国内外の客から人気を集めた。
エイチ・ツー・オーリテイリンググループの阪急阪神百貨店は18%増、三越伊勢丹は12%増だった。J・フロントリテイリンググループの大丸松坂屋百貨店と高島屋は11.2%増えた。米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ子会社となったそごう・西武は1.7%増で、2カ月ぶりに増収となった。一部店舗の閉館の影響を除くと5.7%増だった。
冬物商材は高島屋で手袋が1.5倍伸び、マフラーなどの首回りの商品も約10%増だった。阪急阪神百貨店ではプロ野球・阪神タイガースの日本一祝賀セールでマフラーやストール、コートなどの防寒商材が活発に動いた。
免税売上高は大丸松坂屋百貨店が2.7倍で、単月として過去最高の売り上げだった2020年1月を上回った。高島屋は2.2倍、三越伊勢丹は1.9倍で、それぞれ10月に続き過去最高を更新した。阪急阪神百貨店も6カ月連続で過去最高を更新。そごう・西武は1.9倍だった。
アジア圏の来店客が多い状態が続いている。円安の影響を受け、高額品が好調を持続。三越銀座店(東京・中央)ではハンドバッグと宝飾品の免税売上高がそれぞれ3.7倍だった。
12月の売上高にも期待が高まる。そごう・西武では11月のクリスマスケーキの予約が前年比3%増。5000円以上の高単価の商品が人気を集めているという。