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ナワリヌイ氏の獄死を憂える‼️

[社説]ナワリヌイ氏の獄死を憂える
 
 
#プーチン氏動向・解説 #社説
2024/2/19 2:00
 
公判中にハートマークをつくるナワリヌイ氏。モスクワの裁判所が2021年2月に映像を提供した=AP
ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が収監中の刑務所で死亡した。弾圧を受けながらも自由と正義を求めて戦い続けた勇気をたたえるとともに、追悼の意を表する。

ロシア当局は死因に事件性はないというが、真相は不明だ。過去に何度も不当に拘束・逮捕されただけでなく、プーチン政権の関与が疑われる毒殺未遂で生死の境をさまよった人物だ。

そのうえ昨年末に劣悪な環境下にあり、支援者の目が届きにくい極北の刑務所に移送された。その理由が反体制派であるからとするならば、死の責任はプーチン政権にあると言っても過言ではない。

ナワリヌイ氏は2010年前後からプーチン体制ではびこる汚職や不正を追及してきた。20年の毒殺未遂事件のあとはドイツで療養したが、翌年には危険を顧みず帰国。その直後に逮捕され、禁錮刑を言い渡された。

ただ、収監中も支援者を通じ反プーチン運動を指揮するなど政権にとって目障りな存在だった。

プーチン政権下では過去にも体制に批判的な多数のジャーナリストや政治家、活動家らが暗殺されたり、不審死したりした。昨年は一時武装反乱を起こしたプリゴジン氏も墜落死を遂げた。ナワリヌイ氏の死を受け、世界各国で非難の声が上がったのは当然だ。

フランスのマクロン大統領は「ロシアでは自由な精神は刑務所に送られ死刑を宣告される」と批判した。まるで粛清の嵐が吹き荒れたスターリン時代に戻ったかのようだ。プーチン氏は聞く耳を持たないだろうが、これがロシアの現実とあきらめてはいけない。

ロシアでは各地で追悼集会が開かれ、多数が拘束されたという。一人の人間の死を悼むことさえ許さないのは政権の弱さのあらわれだ。反対派や政治犯を守るためにも国際社会は声を上げ、圧力をかけ続けることが必要だ。

それがいずれプーチン政権の犯罪を明らかにし、責任の追及につながるはずだ