バンブーズブログ

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迫る日経平均の最高値更新 株価急騰の背景を探る


 
広木隆のザ・相場道
#日経マネー連載 #株式投資 #日経マネー
2024/2/20 4:00
 
日経平均株価の上げ幅が一時700円を超えたことを示すモニター(16日午前、東京都港区の外為どっとコム)=共同
1989年に付けた日経平均株価の史上最高値(3万8915円87銭)更新が視野に入ってきた。改めてこの株高の背景を整理してみたい。前回(1月17日付)の「ザ・相場道」では年明けの急ピッチな上昇について短期の要因を指摘したので、今回はより大きなフレームワークでこの相場を捉えよう。

 
まず国内のマクロ的な観点では、長らく日本経済をむしばんできたデフレが終焉(しゅうえん)し、マイルドなインフレが定着しつつあることが挙げられる。それにより値上げが通りやすくなり、企業が原価を適切に価格に反映し、利益を上げやすい構造になってきた。実際、足元で一巡した決算発表を見ても、値上げによる好業績の事例は非常に多い。

またインフレそのものが株高要因である。米経済学者のジェレミー・シーゲル氏は著書「株式投資」の中で、「期待インフレ率の上昇は株主が手に入れる将来の期待キャッシュフローも増加させる」と述べている。簡単な話、インフレになればその分だけ原材料価格も上昇するが、販売価格に転嫁できれば売上高が上がり、利益も増える。それを反映する株価も、結局はインフレの影響を受ける名目の値だという説明で十分だろう。