バンブーズブログ

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米国株、ダウ反落し45ドル安 四半期末の持ち高調整の売り ナイキは急落


 
 
#米国・欧州株概況 #海外 #マーケット
2024/6/29 5:54
【NQNニューヨーク=戸部実華】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比45ドル20セント(0.11%)安の3万9118ドル86セントで終えた。前日夕に決算を発表したナイキが急落し、指数を押し下げた。月末と四半期末が重なり、持ち高調整の売りも重荷となった。もっとも、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数や消費者の景況感の改善を示す指標を受け、ダウ平均は上昇する場面もあった。

ナイキは20%ほど下げ、1銘柄でダウ平均を120ドルあまり押し下げた。2024年3〜5月期決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、25年5月期通期は減収となる見通しを示した。アナリストによる投資判断や目標株価の引き下げもあり、売りがかさんだ。

28日は今月最後の取引日となり、機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う売りが出たとの見方もあった。中小型株で構成される株価指数ラッセル2000」などの年に1回の銘柄入れ替えにあわせ、持ち高を調整する目的の売買が膨らんだとの指摘もあった。

朝方は低下していた米長期金利が午後は前日終値(4.28%)を上回る4.3%台半ばで推移する場面が目立った。金利上昇も株式の相対的な割高感につながった。来週7月4日は独立記念日で連休を取る市場関係者が多いとみられ「休暇前に利益確定売りに動きやすかった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声も聞かれた。

午前にダウ平均は280ドル近く上昇する場面もあった。5月のPCE物価指数は前月比横ばいと、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と同じだった。4月は0.3%上昇していた。エネルギーと食品を除くコア指数も0.1%上昇と市場予想通りだった。コア指数の前年同月比の上昇率は2.6%と市場予想と一致し、伸びは4月(2.8%)から鈍化。米連邦準備理事会(FRB)が「早ければ9月の米連邦公開市場委員会FOMC)で利下げする可能性を高めた」(ウェルズ・ファーゴ)と受け止められた。

ミシガン大学が28日午前に発表した6月の消費者態度指数(確報値)は68.2と、速報値(65.6)から上方修正され、市場予想(66.0)も上回った。併せて公表された1年先の予想インフレ率は3.0%と、前月と6月速報値(ともに3.3%)から低下し、インフレへの警戒感が後退した。景気減速への懸念も和らぎ、景気敏感株や消費関連株を中心に買いを支えた面もあった。

前日夜には11月の大統領選に向けた候補者によるテレビ討論会が開かれた。市場では「まだ早い段階で、討論会を受けた株式相場への影響は限られている」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。共和党は7月、民主党は8月にそれぞれ党大会を開き、正式に候補を指名する。2回目の討論会は9月に開催される予定となっている。

ダウ平均の構成銘柄では前日まで買いが目立ったアマゾン・ドット・コムが2%あまり下げた。アップルやマイクロソフトも売られた。メルクやウォルト・ディズニー、ビザも安い。一方、ユナイテッドヘルス・グループやキャタピラーJPモルガン・チェースアメリカン・エキスプレス、セールスフォースは買われた。

ダウ平均は月間では432ドル上げ、2カ月連続で上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日比126.081ポイント(0.70%)安の1万7732.603で終えた。一時18日に付けた最高値(1万7862)を上回り、1万8000台に乗せた後は次第に売りが優勢となった。メタプラットフォームズやアルファベット、エヌビディアが下げた。ナスダック指数は月間では5.9%高と2カ月連続で上昇した。