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《住宅ローン》、変動金利も上昇 固定金利とどちらを選ぶ?


 
マネーの知識ここから 住宅ローン(2)
#住宅ローン #マネーの知識ここから #コラム
2024/3/11 7:00 (2024/6/30 11:27 更新)
・変動金利は日銀の政策金利、固定金利長期金利に影響を受ける
・現在は7割超が変動金利を選択
・変動金利金利が上昇すれば返済負担が増す
住宅ローンを借りるとき、まず最初に考えるのが「金利タイプ」です。大きく分けて変動金利型と固定金利型という2つのタイプがあります。さらに固定型には借入時の金利が完済まで変わらない全期間固定型と、当初10年など一定期間の金利を固定にした後、変動金利になる固定期間選択型に分かれます。「年○○%」という金利の数字を比較するだけでなく、それぞれの特徴をよく理解し、自分の家計に合った選択をすることが大切です。

住宅ローン利用者の7割超が変動金利を選択

住宅金融支援機構の調査によると、現状では7割超の人が変動金利を選んでいます。変動金利の方が固定金利より低いため、同じ額を借り入れる場合、当初の月々の返済額を固定金利に比べて抑えることができるからです。

長期固定ローンの代表格である住宅金融支援機構の「フラット35」の金利は年1%台後半ですが、変動金利は大手銀行で0.4%前後、ネット銀行では0.3%を切るケースもあります。変動金利と固定金利は、それぞれ異なる金利をベースにして決まっています。

変動金利政策金利が影響

住宅ローンの変動金利は一般に、業績や財務内容がよい企業の中でも最も優良な企業に銀行が1年未満の短期で融資するときの「短期プライムレート」に一定幅を上乗せして金利を決めます。短期プライムレートは、日銀の政策金利の影響を受けやすく、2009年以降はずっと1.475%が続いています。

主な銀行の住宅ローンの変動金利は、これに1%上乗せした2.475%を「店頭表示金利」としています。ここから各銀行が「優遇幅」としてサービスで金利を引き下げ、わたしたちが借り入れる金利(適用金利)を決めています。優遇幅を巡る競争が近年、銀行間で激化していて、結果として変動金利は0%台前半にまで下がっています。

主な銀行では、住宅ローンの変動金利を半年ごとに見直します。短期プライムレートが上がれば連動して返済金利も上がり、住宅ローンを借りている人にとっては利息の支払い負担が増すことになります。

 
固定金利長期金利が影響

一方、固定金利は、長期の国債利回りが目安となります。変動金利と違って「連動する」というほど動きが一致しませんが、おおむね長期金利が上がれば住宅ローンの固定金利も上がり、長期金利が下がれば固定金利も下がります。ただ、いったん住宅ローンを借りれば、返済期間が35年であっても借りたときの金利がずっと続き、返済中に金利が上がったり下がったりしません。

金利が全般に上昇する局面で長期金利短期金利に先行して上がる傾向があるため「最初は変動金利で借りて、金利が上がり始めたら固定金利に借り換えよう」と思っても間に合わない可能性があることに注意しましょう。

変動型は「5年ルール」を知っておきたい

足元では日銀が追加利上げに動くとの見方が強まっています。住宅ローン金利への影響はどうなるのか気になるところです。

変動型は半年ごとに金融機関が適用金利を見直します。ただ、メガバンク地方銀行などで住宅ローンを借りた場合、金融機関が適用金利を上げても、5年間は毎月返済額が変わらない「5年ルール」が設定されているのが一般的です。このルールがある金融機関では、年に1度の基準日を5回迎えるまで、金利が変わっても毎月の返済額は変わりません。

5年後には新しい利率とローン残高、残期間で再計算し、返済額を変更します。その際、毎月の返済額が増える場合にそれまでの返済額の25%増を上限とする「125%ルール」という仕組みもあります。

 
5年ルールも125%ルールも金利上昇時にローン返済額が大幅に増えて直ちに家計が圧迫されるのを防ぐ効果がありますが、デメリットもあります。金利が上昇しているのに毎月返済額が変わらないということは、返済額に占める利払いの割合が大きくなり、元本の返済が遅れます。結果として返済期間を通じた利息の負担額が増え、総返済額が膨らむことに注意が必要です。

一部のネット銀行では125%ルールや5年ルールを設定していません。金融機関を選ぶ際に、確認してみるといいでしょう。

繰り上げ返済できる備えを

多くのファイナンシャルプランナーは「変動型で借りる場合は、手元の貯蓄を厚めにしておくこと」と助言します。将来、金利が上昇したときに、利払いを増やさないよう繰り上げ返済をすることが有力な選択肢だからです。毎月返済額が増えても、家計が圧迫されないよう、ゆとりを確保して家計管理することも必要になります。「固定金利より安いから」というだけで飛びつかないよう気をつけましょう。

固定期間選択型は返済開始から一定期間は固定金利、その後は変動金利になる「固定特約型」の金利プランです。こちらも変動型と同様、将来の金利上昇リスクに備える必要があります。