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大企業製造業の景況感、小幅改善 《6月日銀短観》


 
 
#経済 #経済 #金融政策
2024/7/1 8:53 (2024/7/1 9:19 更新)
 
日銀は1日、企業の景況感を示す6月の短観を発表した
日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回3月調査(プラス11)から2ポイント改善してプラス13だった。3月から小幅改善し、2四半期ぶりの改善となった。素材関連業種の景況感が改善したほか、自動車業界でダイハツ工業の不正認証に伴う出荷停止の影響も緩和したとみられる。

【関連記事】・24年度の設備投資、大企業製造業18.4%増 強気計画続く

・大企業非製造業の景況感、4年ぶり悪化 6月日銀短観
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値。6月調査の回答期間は5月29日〜6月28日。回答率は99.2%だった。

大企業製造業の業況判断DIはプラス13と、QUICKが集計した民間予想の中心値(プラス12)を1ポイント上回った。自動車業界でダイハツの出荷停止の影響が緩和して生産が回復した半面、トヨタ自動車などで新たに発覚した不正問題が関連産業に影響を与えている。自動車は足元で1ポイント悪化しプラス12、先行きは2ポイント悪化しプラス10だった。

原材料高を製品価格などに反映する動きが広がったことで、景況感の改善がみられた。素材業種は5ポイント改善してプラス14、紙・パルプは7ポイント改善してプラス11だった。汎用機械は設備投資の進展で4ポイント改善してプラス27になった。

大企業非製造業の業況判断DIはプラス33と、3月調査(プラス34)より1ポイント低かった。依然として高い水準で推移しているが、消費の弱含みや人手不足などの影響で2020年6月以来4年ぶりの悪化となった。小売りは原材料コストや賃上げの影響で景況感が12ポイント悪化してプラス19だった。

宿泊・飲食サービスは3ポイント悪化しプラス49だった。インバウンド(訪日外国人)消費によって高水準を維持しているが、先行きについては「インバウンド需要の持続性に対する懸念も聞く」(日銀)。原材料価格の高騰も業況の悪化をもたらしているとみられる。

企業の物価見通しは全規模全産業で1年後は前年比2.4%、3年後は2.3%、5年後は2.2%となった。政府・日銀が掲げる2%物価目標近傍で推移するとみている。

調査時の水準と比較した際の販売価格の見通しは、1年後は2.8%、3年後は4.1%、5年後は4.8%といずれも前回調査から0.1ポイント上方修正された。原材料高や人件費上昇の影響を受け、企業が引き続き価格転嫁を進めるとみられる。

企業の事業計画の前提となる24年度の想定為替レートは全規模全産業で1ドル=144円77銭だった。円安・ドル高の進行を受けて、1ドル=141円42銭としていた前回調査から円安方向に修正された。ドル円相場は1日に一時1ドル=161円台まで下落しており、現状よりも円高想定で企業は慎重に業績を見積もっている。