大型ハイテクに売り ナスダックは22年以来の下落率
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2024/7/25 5:44
【NQNニューヨーク=川上純平】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比504ドル22セント(1.24%)安の3万9853ドル87セントで終えた。11日以来の4万ドル割れとなった。前日に決算を発表した大型ハイテク株が急落。売りは他のハイテク株にも広がり、米株相場全体を下押しした。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラが12%安で終えた。23日夕に発表した2024年4〜6月期決算は1株利益が市場予想を下回った。主力の電気自動車(EV)事業が振るわず、嫌気された。同じく決算を発表したアルファベットも、動画投稿サイト「YouTube」の広告収入が伸び悩んだことが売り材料視され、大幅安で終えた。
アルファベットやテスラの株価は足元にかけて大幅に上昇してきた後で、決算をきっかけに利益確定売りが膨らんだ面もある。ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトやアップル、アマゾン・ドット・コムの下げが目立った。市場では「これまで相場をけん引してきたハイテク銘柄の決算が市場の期待に届かず、投資家心理が冷え込むとの警戒感が広がった」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との声が聞かれた。
ニューヨーク連銀前総裁のビル・ダドリー氏は24日の米ブルームバーグ通信の記事で「9月会合まで利下げを待つのは景気後退のリスクを不必要に増やす」との考えを示し、7月30〜31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを始めるべきだとの見方を示した。24日発表の7月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の境目である50を下回ったこともあり、景気減速への懸念が意識されたのも米株の売りを促した。
ダウ平均の構成銘柄ではインテルやボーイング、ナイキが下落した。決算を発表したビザも安かった。ハイテク株から流出した資金の一部はディフェンシブ株に向かい、ジョンソン・エンド・ジョンソンやベライゾン・コミュニケーションズ、メルクが上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比654.938ポイント(3.63%)安の1万7342.413で終えた。下落率は22年10月以来の大きさだった。エヌビディアやメタプラットフォームズの下げが目立った。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は大幅に続落し、終値は前日比128.61ポイント(2.31%)安の5427.13だった。半導体関連株は全面安。主要な関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅に続落し、5.4%安で終えた。