バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

NYダウ683ドル高 雇用指標改善、押し目買い広がる


 
 
#株式 #マーケット #海外
2024/8/9 5:26 (2024/8/9 7:01 更新)
 
【ニューヨーク=佐藤璃子、野一色遥花】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比683ドル(1.8%)高の3万9446ドルで終えた。朝方発表の失業保険申請件数が労働市場の底堅さを示し、先行き不安が若干和らいだことで押し目買いが入った。ただ、来週の7月の米消費者物価指数(CPI)発表などを控え、不安定な地合いが続くとの見方もある。

S&P500種株価指数は前日比2.3%高の5319.31で終え、2022年11月以来の伸び率となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は同2.9%高の1万6660.02で引けた。ダウ平均は6月中旬以来の安値をつけた5日からは743ドル回復した。「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は8日に23.79と、前日から低下した。

労働省が発表した米新規失業保険申請件数は、8月3日までの1週間に23万3000件と、前週の改定値から1万7000件減り、ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(24万件)を下回った。前週に申請件数が約1年ぶりの高水準を記録し、米景気悪化懸念が強まるきっかけとなった同指標は、一転して雇用情勢の落ち着きを示した。

市場関係者の間では、「2022〜23年ほどの勢いはないものの、労働市場は依然として堅調だ」(米PNCフィナンシャル・サービシズのシニア経済アドバイザー、スチュアート・ホフマン氏)との声も多かった。

景気減速懸念がやや和らいだことで、景気敏感株を中心に買いが入ったほか、IT(情報技術)や通信など、大きく下げていた業種も買われた。個別株ではこれまで下落が目立ったインテル、景気敏感株のキャタピラーなどの上昇が大きかった。米景気悪化への懸念から下げが目立っていたエヌビディアも前日比6.1%上昇した。

ただ、1回の雇用指標で景気の先行きを判断するのは難しいとの声も多い。米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)氏は7日、CNBCのインタビューで、米景気の軟着陸(ソフトランディング)の確率は35〜40%程度で、景気後退に陥る可能性も十分あるとの認識を示した。

「来週発表される7月の消費者物価指数(CPI)や失業保険申請件数などで、景気の先行きを見極めたい」(米金融調査会社フォワードボンズエコノミスト、クリス・ラプキー氏)と慎重な見方も多い。

「株価の先行きは景況次第」(米ブライトン証券のジョージ・コンボイ会長)とみられ、株式相場は引き続き不安定な展開が予想される。