世界の原子力発電とは 中ロ、過去10年新設数の6割
きょうのことば
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2024/8/22 2:00
▼世界の原子力発電 1950年代に原子力を民間の発電に用いる動きが始まった。原子力発電は核分裂反応によって発生するエネルギーで発電機を回す。米欧とロシアが導入を競い、日本も66年に最初の原発を稼働させた。80年代には世界の原発が400基に達し、主力電源の地位を固めた。
79年に米スリーマイル島原子力発電所事故、86年には旧ソ連でチェルノブイリ原発事故が起き、安全性が揺らいだ。米欧で原発離れが進んだが、90年代に安全対策を強化した「第3世代」といわれる原発が登場すると「原子力ルネサンス」と呼ばれる再評価の動きが2000年代に広がった。11年の東京電力の福島第1原発事故後は再び、各国が新設を止め、安全規制の強化に動いた。
中ロがいち早く新設を再開し、過去10年の新設数は世界の6割をしめた。近年は米欧も脱炭素へ原発の最大限の利用に動く。各国は「第4世代」と呼ばれるより安全で発電効率が高く、放射性廃棄物が少ない次世代炉の開発を競う。既存の軽水炉型の原発を基に安全性を高めた革新軽水炉などの開発が進む。国家主導で開発を進める中ロが商用化で先行している。