NY円相場、反発 1ドル=150円00〜10銭 米指標の悪化や日銀の利上げ観測で
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2024/12/6 7:53
【NQNニューヨーク=矢内純一】5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日ぶりに反発し、前日比60銭円高・ドル安の1ドル=150円00〜10銭で取引を終えた。米国の雇用指標の悪化に加え、日銀の追加利上げ観測がくすぶっていることが円買い・ドル売りを促した。
5日朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は22万4000件と前の週から増加し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万5000件)を上回った。市場では「4日発表の米経済指標もさえない内容となり、米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動きやすくなった」(邦銀の為替ディーラー)との指摘があった。
日銀の中村豊明審議委員が5日の記者会見で「利上げに反対しているわけではない」と述べた。12月の金融政策決定会合については「データをみながら判断する」との考えを示した。日銀が追加利上げをする可能性が意識されていることは円相場を支えた。
6日朝には11月の米雇用統計の発表を控えている。FRBの利下げペースを探る上で内容を見極めたいとの雰囲気もあった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想では非農業部門の雇用者数は前月比21万4000人増と、大型ハリケーンやストライキの影響を受けた10月(1万2000人増)から改善すると見込まれている。
円の高値は149円94銭、安値は150円70銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比65銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=158円85〜95銭で取引を終えた。政治を巡る混乱が続くフランスで極右の国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン氏が、向こう数週間で2025年度の予算を成立させることが可能だとの考えを示したと5日に伝わった。フランス政治への過度な懸念が後退し、円売り・ユーロ買いが出た。
ユーロは対ドルで上昇し、前日比0.0080ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0585〜95ドルで取引を終えた。フランス政治に対する懸念が薄れたうえ、米雇用指標の悪化を受け、ユーロ買い・ドル売りが優勢だった。
ユーロの高値は1.0589ドル、安値は1.0533ドルだった。