NYダウ続落、123ドル安 景気敏感株に利益確定売り
#海外 #マーケット #株式
2024/12/7 5:26(2024/12/7 6:42 更新)
【NQNニューヨーク=戸部実華】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比123ドル19セント(0.27%)安の4万4642ドル52セントで終えた。週半ばに過去最高値を更新し、主力株の一角には利益確定売りが優勢になった。朝方発表の11月の米雇用統計は市場予想をやや上回ったものの、12月の米利下げを見送るほどではないと受け止められた。ハイテク株の一角を中心に買いも入り、ダウ平均を下支えした。
ダウ平均は4日に初めて4万5000ドル台で終えた。11月から急ピッチで上昇した後で、週末を前に景気敏感株やディフェンシブ株に売りが出た。来週には11月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)が発表される。米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は6日、「インフレは高止まりしており、政策金利の引き下げは慎重に、徐々に進めたい」との考えを示した。市場では物価指標次第では、政策判断に影響するとの観測から様子を見たいという雰囲気もあった。
ダウ平均は高く始まっていた。11月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万4000人増)を上回った。10月分は上方修正した。平均時給は前月比の上昇率が0.4%と市場予想(0.3%)より高かった。一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に上昇した。
市場では大型ハリケーンやストライキの影響を受けた10月から「雇用の回復がみられたがトレンドは鈍化方向にある」(CIBCキャピタル・マーケッツ)との見方があった。雇用の急激な悪化への懸念は後退した一方で「12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが0.25%利下げするとの見方を変える要素はなかった」(オックスフォード・エコノミクス)と受け止められ、株買いを支えた。
米長期金利は前日終値(4.17%)を下回って推移する場面が目立った。金利上昇に一服感が出ていることも、ハイテク株を中心に買いを誘った。ハイテク株は11月の相場上昇で景気敏感株や中小型株と比べると買いの勢いが鈍かった。「相対的にみて割高感が薄れていた主力ハイテク株には資金が向かいやすくなった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
個別銘柄ではユナイテッドヘルス・グループが5%安となり、ダウ平均を下押しした。シェブロンやエヌビディア、ボーイングも売られた。半面、アマゾン・ドット・コムやIBM、アメリカン・エキスプレスは買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比159.051ポイント(0.80%)高の1万9859.774(速報値)で終え、4日以来となる最高値を更新した。テスラやメタプラットフォームズ、アルファベットが買われた。パランティア・テクノロジーズやブロードコムの上昇も目立った。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発した。前日比15.16ポイント(0.24%)高の6090.27(速報値)で終え、2日ぶりに最高値を更新した。