コロナ禍以降、投資を始める人が増えています。
投資情報をお伝えしている私のYouTubeチャンネルでも、わずか1年ちょっとで登録者数が一気に15万人以上増えました。2019年に物議をかもした「老後2000万円問題」の影響も大きいでしょう。
国に頼っているだけでは自分の生活を守れないという危機感を抱いた人が多かったのだと思います。
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「老後2000万円問題」は、老後20~30年間で約1300~2000万円の生活資金が足りなくなるという金融庁の試算がきっかけでした。年金給付を増やすこともできないまま、国は「国民の老後の面倒まで見られない」とサジを投げた格好になったのです。
実際、「老後の生活を続けていくためのお金の準備はできている」と自信を持って言える人は多くないでしょう。
「老後2000万円問題」は誰でも投資で解決できる
一方、約13年で「FIRE」を達成したという厚切りジェイソンさんが注目されているように、コツコツと投資をして資産を形成している人がいるのも事実です。
若い人たちの間で流行っているFIRE。ファイナンシャル・インディペンデンス・リタイア・アーリーの略で、もともと「アーリーリタイア(早期リタイア)」を意味していましたが、今はちょっと違うニュアンスで使われています。例えば、1億円の資産を持ち、年利回り4%で運用できれば、毎年400万円(税引前)の収入が得られる。その400万円の範囲内で生活すれば、元本1億円がずっと減らず、自由でハッピー。そんな感じです。
つまり、「FIREする」というのは「働かなくても入ってくるお金で生活できる人になる」こと。経済的自由人になるということです。
投資をすることで、経済的自由人とまではいかなくても、老後2000万円問題を解決するぐらいなら、どんな人でも可能です。まとまったお金や知識も必要ありません。
私自身、わずかな元手から全て独学で5億円の資産を築きました。「当たり前のことを学び続け、実践し続けることで、誰でも老後の不安を解消する数千万円までは突破できる」。これが、私の結論です。
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投資を始められない人の言い訳“5パターン”
国までがサジを投げたのですから、老後の資産形成もしていないのに、今に至ってもまだ証券口座すら開設しておらず、投資を始めていない人は、「自分の生活は自分で守る」という意識が低いと言わざるを得ません。
そもそも私たちの大切な年金も投資で運用されています。私たちが投資をしていなくても、将来もらえるはずの年金は世界中で確実に運用され、資産を増やし続けているわけです。それでもまだ投資に踏み切れない人には、次の5つの特徴があります。
①自己投資を軽視している
②投資する元手(タネ銭)がない、時間がない、知識がない
③投資のリスクを恐れている
④自分に合った投資法がわからない
⑤お金を浪費してしまう
セミナーや講演、YouTubeなどで、よくお金の相談を受けるのですが、みなさんのお話を伺っているうちにわかってきた私なりの分析です。
自己投資をすることで基本の収入を少しでも増やす
あなたが会社から得ている毎月の給与を、フリーランスの人ならば毎月の収入を、最大化させることが、お金を増やすための第一歩です。
今は、能力やスキルさえ備わっていれば、一昔前に比べて、いくらでも収入を増やしていける時代です。自己投資を惜しまず、キャリアアップやスキルアップをして自分の市場価値を高めましょう。とにかく給与などの基本の収入を上げるための行動を起こすことが、何より大切です。
あなたがもし、「自分の給料は安い」と不満を持っているのなら、それはチャンスです。「給料が安いほど伸び代がある!」ということですから。
初心者の不安をまとめて解決してくれる「つみたてNISA」
「お金がない」「知識がない」「投資は恐い」などの理由ではじめの一歩を踏み出せない人は少なくありません。その不安をまとめて解消してくれるのが「つみたてNISA」です。
つみたてNISAは、いうなれば「自分年金」。国が公的年金だけでは国民生活を守れないため、個人個人が投資をしやすいように作り出した「税金の優遇制度」です。初心者がまず始めるべき投資法は、次の3ステップであり、これで決まりです。
①「つみたてNISA」口座を開設
②投資信託(インデックスファンド)を購入
③20年以上の長期保有をする
つみたてNISAを始めるのに、まとまった額の元手は必要ありません。数千円からスタートできます。多忙な人でも、一度購入してしまえば、ほぼ何もしないでほったらかしにできます。
つみたてNISAで買える投資信託のラインナップは、数ある投資信託のなかでも、積み立てながら長期で保有するのに適していて、広くリスクを分散できる商品が選ばれているので、知識のない初心者でも安心です。
多数の銘柄に投資をする投資信託でリスクを分散し、長期間運用することでさらにリスクが抑えられます。
つみたてNISAでの売買は毎年40万円以下の投資なら利益に税金がかからないので、利用しない手はありません。
写真=iStock.com/cihatatceken
※写真はイメージです
手を出しやすい金融商品から自分に合った投資プランを
「つみたてNISA口座で投資信託(インデックスファンド)」の次のステップとして、比較的手を出しやすい金融商品を挙げてみます。
・特別口座でインデックスファンド
・個別株
すべて20代前半から投資を始めた私が実際にやってきた金融商品ばかりです。初心者でもネット上を探せば豊富なノウハウを見つけることができ、比較的手を出しやすいものです。
本書では各商品ごとにおすすめ銘柄なども紹介していますのでぜひ参考にしてください。私の考えた、20~30代、40~50代、60代以上と、各世代別に最適な投資プランも載せました。個別株を売買する際の9つのルールもチェックしてみてください。
浪費しないこと、実はこれがいちばん大事
「お金を増やす」ためには、「お金が増えない」原因をつぶしておかなければなりません。老後、お金のことで不安な思いをしないためには、実は、これが一番大切です。
たとえ収入が少なくても、支出がそれ以上に少なければ、お金は増えていきます。逆にどんなに年収が高くても、浪費癖が抜けない人は、投資に回せる資産が増えていくことはありません。
収入を増やすことだけが、「お金を増やす」ための唯一の方法ではないということです。当たり前の話ですが、浪費する人はお金持ちにはなれません。
稼ぐ力、増やす力、守る力を身につける
自己投資にしろ、お金の投資にしろ、最初からすべてがうまくいく人なんて、どこにもいません。
「スキルアップのために勉強をしているのに給料が増えない」
「投資信託を買ってみたけれど予想を裏切られて利益が伸びない」
「個別株にチャレンジしたら損をしてしまった」
必ず誰しもが想定外の壁にぶつかります。
このとき「失敗してしまった」と諦めるか。失敗から自分なりに学んで次のアクションを起こすか。まさに後者が、トータルで「お金を増やす」ためには欠かせないメンタルセットです。
上岡正明『「お金の不安」から自由になるための お金が増える強化書』(アスコム)
失敗のあとにどうアクションするか。
その失敗を、どう自分の経験値に変えていくか。
この2つが大切です。小さなチャレンジをとりあえず始めてみて、壁にぶつかるたびに軌道修正していくこと。これが、お金を増やすためには必須のスキルになります。
「わからない」「こわい」を言い訳にせずに、投資なら、まずは数百円でもいいから、つみたてNISAを始めるといった小さなアクションを起こすのです。すると、証券口座を開設する前にはわからなかった、さまざまなことが見えてきます。
自己投資で「稼ぐ力」を、お金の投資で「増やす力」を、そして節約思考で「守る力」を身につければ、老後の資金を貯めること、さらに経済的自由人になることは、さほど難しいことではありません。