バンブーズブログ

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[社説]法の支配広める努力を強く


 
 
#バイデン政権 #社説
2023/3/31 19:00
「民主主義サミット」を主導するバイデン米政権の手法には理念先行の懸念も(ロイター=共同)
法の支配は民主主義の根幹であり、平和で開かれた国際秩序にとって譲れない原則だ。日米欧など民主主義国は、力による現状変更を辞さない権威主義国に協力して立ち向かうとともに、新興国や途上国を含め、世界に法の支配を広めるよう努力を強めたい。

米国のバイデン政権が主導する「民主主義サミット」がオンライン形式で開かれた。開催は2回目で約120カ国・地域を招いた。

バイデン大統領はウクライナに侵攻したロシアに対し、民主主義国が「かつてないほど結束している」と強調。「世界中で民主主義の取り組みへの支援を強化する」と新たな資金拠出を表明した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「これは自由と民主主義に対する戦争だ」と訴えた。

世界では民主主義と、中ロを筆頭にした権威主義との綱引きが激しさを増している。中国は台湾への威圧を強め、アフリカや中東にも影響力を拡大する。グローバルサウス(南半球を中心とした途上国)の取り込みをめぐって、両陣営がしのぎを削っている。

危機感を募らせる米国は初回に続いて台湾から閣僚を招請、アフリカからも新たに5カ国を招いた。顔認証などの先端技術が人権弾圧に結びつかないよう、輸出管理を強化する対策も急ぐ。

ただ、白黒をつけるような米国の姿勢には批判がつきまとう。北大西洋条約機構NATO)加盟国のハンガリーやトルコ、アジアでもタイやシンガポールが招待されなかった。政治状況などが理由とみられるが、基準は曖昧だ。

自由や人権の尊重、法の支配へのあからさまな挑戦に毅然と対抗していくことは当然だ。一方で、陣営固めを優先するあまり分断を深めたり、理念先行で中間的な国の離反を招いたりすれば本末転倒になりかねない。

途上国には開発優先で民主主義の制度が整わないところもあり、きめ細かな支援が欠かせない。人材育成や法整備などの経験が豊富な日本は大いに汗をかくべきだ。^_^