バンブーズブログ

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大谷翔平もテキパキ投球

 大リーグに「タイパ」の潮流
 
 
#スペシャル #MLB #大谷翔平
2023/4/4 2:00
アスレチックスとの開幕戦に先発したエンゼルス・大谷。左上は「ピッチクロック」の数字=共同
最近は日常生活から時間効率を重視する傾向にあるらしい。「タイムパフォーマンス(タイパ)」と呼ばれ、ユーチューブなどの動画もスキマ時間で必要な情報を得られる短尺のものが支持されているのだとか。その意味でいえば、米大リーグ機構(MLB)が今季導入した投球間の時間制限「ピッチクロック」も「タイパ」のいいルールといえるだろうか。

MLBによれば、3月30日の開幕戦全15試合の平均試合時間が以前より20分以上短い2時間45分だったという。アスレチックス―エンゼルスも2時間30分、2戦目もエンゼルスが13点も奪って2時間24分という早さだった。走者なしで15秒以内、走者がいても20秒以内というテンポはやはり速く感じる。

開幕投手を務めた大谷翔平は時短に貢献していた。むしろテキパキと投げすぎて間合いが早すぎたのか、打者が投手を見てから投げるように審判から指摘される場面があった。まだあいまいな部分もあって、運用は手探りのようにも映る。

開幕2戦目にメジャーデビューした藤浪晋太郎は三回に崩れて8失点を喫した。一呼吸したいところでピッチクロックを気にして余裕なく単調になったのだとしたら、その影響は無視できない。もっとも、打者と投手の18.44メートルの間で交わされる、じらし、じらされ、のような微妙な駆け引きはこれから無駄な時間とみなされていくのだろう。

ワールド・ベースボール・クラシックWBC)でも今後導入の検討対象になることを、大会を主催する組織のトップ、ジム・スモール氏は語っていた。スピードアップは以前から求められてきたが、米国のルールに倣ってきた日本でもいずれ導入が検討されるのだろうか。時短は世の流れとはいえ、4時間を超える熱戦はめったにお目にかかれなくなるかも。野球界でも「タイパ」が潮流になりそうな気配である。

(渡辺岳史