バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

宮内庁がSNSの活用に乗り出すのは初めて

[社説]皇室広報の一層の充実を
 
 
#社説 #オピニオン #令和の皇室
2024/4/28 19:00
 
宮内庁のインスタグラムはフォロワーが100万人を超えた
宮内庁が4月から始めたインスタグラムの情報発信で、公式アカウントのフォロワー数が100万人を超えた。皇室への国民の理解をより深めるための広報活動を積極的に続けてほしい。

宮内庁SNSの活用に乗り出すのは初めてだ。2023年度に「広報室」を新設して準備を進めてきた。同庁はインスタを選んだ理由について、写真中心の発信に向くことや、若者が多く使っていることを挙げている。

当面は主に天皇、皇后両陛下の公務の内容を発信する。国会開会式への出席や外国首脳との会見、園遊会といった定例的な行事のほか、能登半島地震の被災地訪問の様子なども紹介している。

インスタを使うだけあって、多数の写真を掲載する例が目立つ。出来事から日を置かずに投稿する例も多い。同庁は「タイムリーな発信を心がけている」としている。迅速な発信は評価できる。

「皇居」「宮殿」といったタイトルで、基本的な施設や行事を紹介する入門編のような映像もある。幅広い層に届くよう、さらに内容を工夫してほしい。

天皇ご一家以外の皇室メンバーに関する情報の発信も今後検討する。皇族方が直接投稿される形は想定していないというが、海外王室ではそうした例もある。将来に向けた課題だろう。

皇室を巡っては、ときに度を越すような過激なバッシングが問題になってきた。宮内庁のインスタでは、一般の人が自由に書き込めるコメント欄などは設定されていない。やむを得ない部分もあるだろう。それでも国民とのコミュニケーションはできるだけ双方向であるべきで、その方法は引き続き考えていく必要がある。

近年、若者の主要な情報源はSNSになってきている。象徴天皇制は国民の総意に基づく。次世代の国民が皇室の将来像を考える一助としても、閉鎖的といわれてきた宮内庁SNSで情報開示を進める意味は小さくない。今後も発信内容の充実が望まれる。