「力による一方的な試みに強く反対」
#G7広島サミット #政治 #外交・安全保障
2023/4/18 12:19 (2023/4/18 12:36 更新)
主要7カ国（G7）は18日、長野県軽井沢町で開いた外相会合で共同声明をまとめた。軍備増強する中国に関し「我々は中国に率直に関与し、懸念を直接説明することの重要性を認識する」と盛り込んだ。
G7外相会合に臨む林外相（奥中央）ら各国外相=17日午前、長野県軽井沢町（代表撮影）
東アジアの安全保障に米欧も関与する方針を明示した。東・南シナ海での中国による一方的な現状変更の試みに「深刻な懸念」を表し「強く反対」すると表現した。
「台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認」した上で「両岸問題の平和的解決を促す」とも書き込んだ。
今回のG7外相会合で主要議題の一つだった「インド太平洋」に関し、G7で協議する枠組みを定例化する方針を打ち出した。北朝鮮の相次ぐミサイル発射は「強く非難」した。
ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ「世界のいかなる場所でも力や威圧で、平穏に確立された領域の状況を変更しようとする一方的な試みに強く反対する」と明記した。
法の支配に基づく「自由で開かれた国際秩序を強化する決意」を示した。南半球を中心とする新興・途上国「グローバルサウス」が抱える課題にともに取り組む考えを打ち出した。
厳しい対ロシア制裁と強力なウクライナ支援の継続を掲げた。「ロシア軍の即時かつ無条件の撤退」を要請し、核兵器の使用には断固反対した。中国などがロシアに武器支援する可能性を念頭に、第三国によるロシアへの迂回支援の停止を求めた。
「グローバルな課題への対処」との表現でグローバルサウスとの協力にも触れた。G7の価値観を押しつけず、国際秩序の意義を示していくことが重要だと提起した。食料やエネルギーのほか経済安保で重要な物資の調達などで協力拡大を見込む。
核軍縮を巡っては中国に対応を促す文言を入れた。「核戦力の透明性向上」を要求した。日本が推進する「ヒロシマ・アクション・プラン」をもとに核兵器のない世界の実現へ努力する必要性を唱えた。
外相声明を採択し、G7外相会合は閉幕した。5月に広島で開く首脳会議（広島サミット）に成果を反映する。
