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2023/4/20 5:58
米テスラの23年1〜3月期決算は純利益が約3年ぶりの減益となった=ロイター
【ニューヨーク=堀田隆文】電気自動車(EV)最大手の米テスラが19日発表した2023年1〜3月期決算は純利益が25億1300万ドル(約3400億円)と、前年同期比で24%減った。四半期ベースで前年実績から減益となるのは19年10〜12月期以来、約3年ぶり。23年1月から米国で主力車種の値下げを重ね、中国でも価格を引き下げている。販売台数を確保する狙いだが、価格改定が収益に影響するかたちとなった。
23年1〜3月期の売上高は前年同期比24%増の233億2900万ドルで、自動車関連の売上高は18%増の199億6300万ドルだった。EVの世界販売台数は36%増の約42万台。売上高の伸び率は、販売台数の伸びより低くなった。
売上高総利益率(粗利益率)は19%で、22年10〜12月期の24%から5ポイント下がった。営業利益率は11%で、同様に5ポイント低下した。EVの平均単価は約4万7000ドルで、22年10〜12月期から1割下がった。
EVの販売競争が激しくなるなか、テスラは22年秋から中国で値下げを始め、23年1月にも価格を下げた。同月には米国でも主力4車種の大幅値下げに踏み切り、EVの価格を下げていく戦略に転じた。3月には上級車種「モデルS」「モデルX」の追加値下げも実施した。一連の価格改定が利益水準を押し下げた格好だ。
テスラは4月以降も値下げしている。米国で再び一斉値下げを実施し、今回の決算発表の直前にも量販車「モデル3」「モデルY」の価格を引き下げた。モデル3の廉価グレードの米国での価格は3万9990ドルとなり、23年1月の値下げ開始前と比べると、7000ドル安くなっている。