#外交・安全保障 #中東・アフリカ
2023/4/24 18:47
23日、スーダンの首都ハルツームから上がる煙=ロイター
アフリカ北東部のスーダンにとどまる邦人の一部が23日、首都ハルツームから別の都市に陸路で移動を始めた。国連の職員が乗る車両に同乗したという。近隣国のジブチからは航空自衛隊の輸送機がスーダンに向けて離陸した。
松野博一官房長官は24日の記者会見で、ジブチにいる自衛隊の部隊について「調整が整い次第スーダンに派遣し輸送活動を開始する」と語った。ジブチでは空自の輸送機「C130」や「C2」など輸送機3機が待機していた。
岸田文雄首相は24日の自民党役員会で、武井俊輔外務副大臣をジブチに派遣したと明らかにした。「政府をあげて在留邦人の安全確保や退避に向け全力で対応していく」と述べた。
各国は自国民の退避に動いている。フランスの外務、国防両省は24日、同国の空軍が同日朝までに388人をスーダンからジブチに退避させ、対象者には日本人も含まれると発表した。
ドイツでは24日、101人の自国民らを乗せた最初の軍用機が経由地のヨルダンからベルリンに到着した。イタリアやスペインも自国民らを輸送機で脱出させ、カナダは外交官を退避させた。欧州連合（EU）のボレル外交安全保障上級代表は同日、1千人超のEU市民がスーダンから脱出したと述べた。
トルコは陸路で隣国エチオピアへの退避を始めたが、集合場所付近で爆発が起きるなど一部で混乱があったもようだ。
世界保健機関（WHO）は23日、15日に始まった戦闘で死者が420人、負傷者は3700人に上ったと明らかにした。
