バンブーズブログ

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関西電力、原発再稼働で最高益 24年3月期最終


 
 
#関西 #環境エネ・素材
2023/4/27 16:31 (2023/4/27 18:52 更新)
関西電力の高浜原子力発電所。手前左から4号機、3号機と奥左から2号機、1号機(2020年2月、福井県高浜町
関西電力は27日、2024年3月期の連結純利益が前期の17倍の3050億円になる見通しだと発表した。原子力発電所の再稼働が進んで稼働率が高まり、最高益を18年ぶりに更新する。競合する新電力の顧客情報を不正閲覧した問題では、経済産業省の業務改善命令を受けて、5月12日までに再発防止策を含む業務改善計画を公表する。

純利益は06年3月期の1610億円を大きく上回り、過去最高になる見通し。企業向けで実施する電気料金の値上げや原発稼働率向上、液化天然ガスLNG)や石炭など火力発電向け燃料費が減少することが、経常損益段階で前期から5000億円程度の増益要因になる。

高浜原子力発電所福井県高浜町)1号機と2号機を夏までに12年ぶりに再稼働させる計画で、原発稼働率を示す原子力利用率は前期実績から20ポイント程度改善して70%程度になる見通し。関電は利用率が1ポイント上昇すると経常損益を56億円押し上げると試算している。

記者会見する関西電力の森社長(中)(27日、大阪市北区
森望社長は27日の会見で「燃料価格や原子力稼働率に一定の前提を置いて利益を想定している」と話した。同日に決算発表した北海道電力四国電力などは23年3月期に大幅な連結最終赤字を計上し、今期の業績予想を未定とした。原発の再稼働が進む関電には電気料金の値下げなどが求められることも予想されるが、森社長は「状況変化を見極めて分析することが大事だ」と述べた。

関電の23年3月期連結決算は最終損益が176億円の黒字(前の期は858億円の黒字)だった。従来は450億円の最終赤字を予想していたが、1〜3月にLNGや石炭などの価格上昇が一服したことや、繰り延べ税金資産を計上したことで、一転して黒字になった。

関電は昨年末に発覚した新電力の顧客情報の不正閲覧に関する調査やコンプライアンス教育の徹底のために4月末まで広告宣伝などの営業活動を自粛するとしていた。4月中に不正に関する社内調査結果をまとめる予定だったが、4月17日に経産省から業務改善命令を受け、5月12日までに内部統制の強化策などを含む業務改善計画を公表することを求められている。関電は営業自粛期間を報告提出まで延長することにした。