2023/8/17 5:19 (2023/8/17 5:38 更新)
【NQNニューヨーク=横内理恵】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比180ドル65セント(0.5%)安の3万4765ドル74セントで終えた。7月中旬以来、約1カ月ぶりの安値。米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨はインフレ次第で追加利上げの可能性があることを示した。米金融引き締め長期化への警戒が相場の重荷となった。
FOMC議事要旨では「引き続きさらなる金融引き締めが必要になるインフレ上振れのリスクが大きいとほとんどの参加者がみていた」ことが分かった。市場では「タカ派寄りな内容と受け止められた」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)との声があり、議事要旨を受けた売りが広がった。米長期金利の指標である10年債利回りが一時、前日比0.07%高い4.28%と昨年10月以来の水準に上昇し、株式の相対的な割高感も意識された。
ダウ平均ではイスラエルの半導体受託生産会社の買収を断念すると発表した半導体のインテルの下げが目立った。中国当局の承認が得られなかったとみられ、半導体を巡る米中関係の対立激化が嫌気された。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などに売りが波及した。
ゴールドマン・サックスなど金融株への売りも続いた。米長期金利の先高観が強まるなか、高PER(株価収益率)のハイテク株も全般に売られた。
ダウ平均は高く推移する場面もあった。ダウ平均の構成銘柄ではないが16日に決算を発表した小売りのターゲットが上昇し、ダウ銘柄ではホームセンターのホーム・デポなど消費関連銘柄の一角が買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比156.419ポイント(1.1%)安の1万3474.628で終えた。6月下旬以来の安値だった。中国での高級モデルの値下げと米国での高級モデルの廉価版発売が明らかになった電気自動車のテスラが安い。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズも売られた。