バンブーズブログ

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NYダウ反発、115ドル高 引き締め長期化への警戒和らぐ


 
 
 
2023/9/2 5:16 (2023/9/2 6:14 更新)
 
【NQNニューヨーク=稲場三奈】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比115ドル80セント(0.3%)高の3万4837ドル71セントで終えた。朝発表の8月の米雇用統計では失業率が市場予想に反して前月から上昇した。労働需給の緩和を背景に、米金融引き締め長期化への過度な警戒が和らぎ、買いが入った。半面、米債券市場で長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことが重荷となった。

8月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比18万7000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(17万人増)を上回った。一方、失業率は3.8%と、2022年2月以来の高水準となり、横ばいを見込んでいた市場予想(3.5%)に反して上昇した。

平均時給の伸び率は前月比0.24%と、市場予想(0.3%)を下回った。雇用市場の過熱感の和らぎが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退した。一時は上げ幅が250ドルを超えた。

ただ、上値は重く、下げに転じる場面もあった。クリーブランド連銀のメスター総裁は1日の講演で失業率の低さに言及したほか、「労働市場は需給がより均衡してきたが、依然として強い」と指摘した。インフレ率については「高すぎる」との認識を示し、FRBによる金融引き締めが長引くとの警戒が再燃。雇用統計発表後に低下していた米長期金利が上昇に転じると、株式市場では次第に売りが増えた。

朝発表の8月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は47.6と、市場予想(46.9)を上回り、7月(46.4)から改善した。「雇用」や「価格」が上昇し、市場では「インフレ圧力のしつこさを示した」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との受け止めがあったのも相場の重荷だった。

4日はレーバーデーの祝日で、米株式市場が休場となる。3連休を控え、薄商いだったことが上値を抑えた面もある。

個別では、スマートフォンのアップルやホームセンターのホーム・デポが高かった。原油価格が上昇し、石油のシェブロンも買われた。半面、通信のベライゾン・コミュニケーションズや航空機のボーイングは下落。ケーブルテレビのチャーター・コミュニケーションズとの契約を巡る不透明感から、映画・娯楽のウォルト・ディズニーは2%下げた。最高経営責任者(CEO)の退任を発表したドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは7%安で終えた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日比3.154ポイント安の1万4031.815で終えた。画像処理半導体のエヌビディアやネット検索のアルファベットが売られた。中国での追加値下げを発表した電気自動車のテスラは5%下落した。