バンブーズブログ

社会の大きな流れは新聞のトップニュースに掲載されます。 その情報を読み続けていくと数年先が見えてきます。それは怖いものなしです。

『社説』中国版・失われた30年」が始まる理由と向き合い方


 
エミン・ユルマズの未来観測
#日経マネー連載 #株式投資 #不動産
2023/9/15 5:00
 
中国では不動産の空室率が主要国最悪の水準になっている。写真は恒大によるプロジェクトの建設現場の様子(写真:CFoto/アフロ)
中国2位の大手不動産デベロッパー、中国恒大集団(エバーグランデ)が、米国で連邦破産法15条の適用を申請しました。これは同社の問題だけでは終わらず、「中国版・失われた30年」の始まりを告げるケースの一つと考えるべきでしょう。世界経済にも影響があり、投資家も注意が必要です。

中国で起きているのは不動産バブル崩壊ですが、日本の1990年代に起きたそれと比べてもはるかに深刻な状況と言えます。中国首位の不動産デベロッパー、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)も経営危機を迎えており、首位と2位の2社だけで、負債額は76兆円という規模に達しているようです。

日本のバブル崩壊においては、90〜92年頃までに破綻した企業の負債額は最大でも数千億円規模でしたが、そこから10年以上かけて、最終的な不良債権処理の総額は100兆円を超えました。中国は最初の2社だけで76兆円なら、今後10年でどこまで不良債権が膨らむのか、想像もつきません。