バンブーズブログ

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NYダウ反落、158ドル安 政府機関の閉鎖懸念が重荷


 
 
 
2023/9/30 5:31 (2023/9/30 6:33 更新)
 
【NQNニューヨーク=戸部実華】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比158ドル84セント(0.47%)安の3万3507ドル50セントで終えた。ほぼ4カ月ぶりの安値。朝方に発表された物価指標が市場の想定の範囲にとどまり、買いが先行した。買い一巡後は米政府機関の一部閉鎖のリスクが意識された。高水準の米政策金利が長く維持されるとの見方も根強く、相場の重荷になった。

ダウ平均は月間では2カ月連続で下落し、下げ幅は1214ドル(3.49%)となった。下げ幅は2月以来の大きさとなった。

29日朝発表の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.4%上昇した。一方、食品とエネルギーを除くコア指数は同0.1%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を下回った。コア指数の前年同月比の上昇率は3.9%と市場予想と一致し、7月(4.3%)から伸びが鈍化した。「コアインフレは根強いながらも、4%を下回ったことは朗報と受け止められた」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)という。ダウ平均の上げ幅は一時200ドルを超えた。

インフレの沈静化が進んでいるとの見方から、米債券市場で長期金利は一時、4.50%に低下した。だが、債券買いの勢いは次第に鈍くなり、米長期金利は前日終値(4.57%)をやや上回る場面もあった。金利の高止まりは株式の相対的な割高感につながった。

連邦議会下院は29日、共和党幹部が提案したつなぎ予算案を可決できなかったと伝わった。新しい会計年度が始まる10月1日が迫っており、政府機関の一部閉鎖を避けられないとの見方が強まった。市場では「政府機関の閉鎖は投資家心理の悪化につながる」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。

米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方も根強かった。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日に公開した講演草稿でインフレは「まだ高すぎる」と指摘し、「抑制的なスタンスの金融政策を当面は維持しなければならないだろう」との考えを示した。このところFRB高官の金融引き締めに前向きなタカ派的な発言が目立っている。月末と四半期末が重なり、機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う売りが相場の重荷になったとの見方もあった。

個別では銀行のJPモルガン・チェースや小売りのウォルマートが安かった。製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株も売られた。半面、前日夕に発表した2023年6〜8月期決算で1株利益が市場予想を上回ったスポーツ用品のナイキは7%弱高となった。ソフトウエアのマイクロソフトスマートフォンのアップルも上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比18.045ポイント(0.13%)高の1万3219.322で終えた。画像処理半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン・ドット・コム、電気自動車のテスラが買われた。一方、ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズは下げ、主力株はまちまちだった。

ナスダック指数は月間では5.81%下げ、下落率は昨年12月以来の大きさとなった。